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新作映画が17日後から配信可能に AMC、リーガル・シネマズなどコロナ禍で錯綜する米国の映画館

リアルサウンド

20/8/5(水) 12:00

 42州の549拠点で展開し、アメリカで2番目に大きい映画館チェーンとされるリーガル・シネマズが、8月21日より国内の営業を再開すると発表した(参考:Regal Cinemas Announces August Reopening of U.S. Theaters|Variety)。

参考:詳細はこちらから

 リーガル・シネマズは、ほか大手映画館チェーンのAMCシアターズやシネマートと同様に、コロナウイルスの影響で3月中旬に米国内のシアターを閉鎖、春~夏期の上映スケジュールを大幅に変更した。現在、『ワンダーウーマン 1984』は10月に延期され、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』は11月に延期されている。ほかの主要作品もスケジュールから外れたり、ストリーミングサービスで公開されたり、2021年公開予定に変更になったりと各配給会社、作品によってその判断はまちまちだ。

 特に注目されている作品が、クリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』。無期限延期となっていたが、全米公開日があらためて9月3日に決定。しかし、アメリカ以外の主要市場では8月26日より全米に先駆けて公開される模様だ。リーガル・シネマズの親会社・シネワールドは、『TENET テネット』のリーガル・シネマズでの上映も明らかにしている。

 シネワールドのCEOは、「劇場の皆様を映画館にお迎えすることは、私たちのチームと映画業界だけでなく、今年公開の作品を心待ちにしていたファンの皆様にとっても大変喜ばしいことです」「スタッフ、お客様、地域社会の健康と安全を最優先に考え、観客の皆様に、タイムレスな劇場体験をまた楽しんでいただけることを嬉しく思います」と語っている。感染対策として、最先端の消毒手順、新しいソーシャル・ディスタンス・プロトコル、リーガル・シネマズ従業員および来場者のマスク着用義務化など、最新の公衆衛生ガイドラインに準拠する予定だ。

 ロサンゼルス、ニューヨークなどでのほかの多くの映画館は、各保健所より再開許可の日程が出ていない場所も多く、リーガル・シネマズの劇場再開がどの程度盛り上がるのか見守ることになりそうだ。営業再開日の8月21日公開の大きなタイトルとしては、ラッセル・クロウ主演の『Unhinged(原題)』や、ジャネール・モネイ主演のホラー『Antebellum(原題)』などが予定されていたが、『Antebellum』も無期限延期が決定(参照:Lionsgate Takes Janelle Monáe Horror Movie ‘Antebellum’ Off Calendar Temporarily|DEADLINE)。先行きは未だ不透明なままだ。

 一方、そんなリーガル・シネマズに並ぶ映画館チェーン大手AMCシアターズは、ユニバーサル・ピクチャーズとの間で「今後の新作映画は、映画館での上映開始から17日後に(インターネット経由の)オンデマンド配信が可能になる」という契約が合意に達した。

 4月にユニバーサル・ピクチャーズが、『トロールズ ミュージック★パワー』の公開を取りやめ、ビデオオンデマンドにて配信したことに始まる、AMCとユニバーサル・ピクチャーズの今回のやりとり。当初、映画館公開をスルーしたことに激怒したAMCの会長兼CEOのアダム・アーロンだったが、その後の劇場営業再開の見通しが立たず、経営危機も囁かれてきた。

 今回の契約にあたって、オンデマンド配信の収益の一部がAMCシアターズにも還元されるとのことで、劇場での大きな収入が見込めないAMCとしては、呑まざるを得ない契約だったとも言える。

 果たして海外の映画館事業はどのように移り変わるのか? そして、その波は日本にも訪れるのか動向が依然として注目される。 (文=綾瀬くろ)

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