一昨年の舞台『ザ・空気』、昨年の『ザ・空気ver.2 誰も書いてはならぬ』と、真っ直ぐに世相に斬り込むドラマが熱い支持を得た二兎社公演。期待高まる今年、作・演出の永井愛さんが書きおろすのは、明治44年に発行された雑誌『青鞜』の編集部を舞台に、世に議論を巻き起こした女性たちの物語です。平塚らいてう、伊藤野枝など、婦人問題を提唱した中心人物として知られる彼女たちが登場する作品はこれまでも目にしてきたけれど（宮本研『美しきものの伝説』が有名ですね）、永井さんの視点で、2019年の今にどう提示されるのかが注目必至。チラシを見れば「空気を読まない女たちがマジで議論した『青鞜』編集部の日々」といったキャッチが。やっぱり世間の“空気”に対し威風堂々と立ち向かう、そんな小気味良さを味わえる予感がフツフツと湧いてきます。平塚らいてうを演じるのは『書く女』（2016年）以来の二兎社登場となる朝倉あきさん。そして19歳の新鋭、藤野涼子さんが伊藤野枝役で初舞台に挑みます。昨年の舞台『民衆の敵』で印象を残した大西礼芳さん、今年９月の劇団iaku公演『あつい胸さわぎ』での素晴らしい演技が忘れられない枝元萌さんなど、筆者の気になる女優さんオン・パレードですよ。楽しみしかない！