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梅津瑞樹・杉江大志らが詐欺に手を染める男演じる、千葉哲也演出「BIRTH」明日開幕

ナタリー

20/10/9(金) 21:14

「BIRTH」ゲネプロより。

「BIRTH」が、明日10月10日に東京・よみうり大手町ホールで開幕する。これに先駆け、本日9日に公開ゲネプロが実施された。

シライケイタの戯曲「BIRTH」は、温泉ドラゴンが2011年に初演し、2015年に韓国の演劇祭で戯曲賞を受賞した四人芝居。千葉哲也が演出を手がける今回は、Wキャスト、トリプルキャストで上演される。出演者には、ダイゴ役の梅津瑞樹、前山剛久、ユウジ役の杉江大志、玉城裕規、マモル役の後藤大、佐藤祐吾、オザワ役の陳内将、北園涼、章平が名を連ね、本日行われたゲネプロには、梅津、杉江、後藤、陳内が出演した。

劇中では、詐欺に手を染める4人の男の物語が展開。横領が原因でヤクザに追われていたユウジ(杉江)は、逃げるように刑務所に入るも、出所後、ヤクザから多額の示談金を要求されてしまう。そんな中、ある“商売”を思い付いたユウジは、裏社会に通じる仕事をしているオザワ(陳内)をその“商売”のメンバーに加える。さらに過去に仲間だったダイゴ(梅津)と、ダイゴの友人であるマモル(後藤)も巻き込み、その“商売”、オレオレ詐欺を始めるが……。

舞台上には、赤い幕が垂れ下がる小さなステージと、照明器具やパイプ椅子、ベンチが雑多に置かれ、詐欺の犯行現場としてオザワが用意した劇場跡地が表現された。劇中では、詐欺行為の虚構性が、俳優の芝居や演出により繰り返し演劇的に強調される。ユウジがオレオレ詐欺の練習をするシーンでは、スポットライトを浴びた杉江が、交通事故を起こした息子の“役”としての悲しみを誇張して客席の笑いを誘い、詐欺行為の薄っぺらさを際立たせた。

根がまっすぐで、心優しいダイゴを等身大で演じる梅津は、責任感が希薄な若者らしさをはつらつとした芝居ににじませながら、彼が罪悪感に駆られていくさまを、細かな表情の変化を駆使して表す。何をしでかすかわからないユウジを、トリッキーな演技で表現するのは杉江。唯一の友人であるダイゴと対立する場面では、怒号に悲痛さを織り交ぜ、ユウジが抱える孤独を垣間見せた。

後藤は、頼りがいのあるクールな佇まいでマモルを演じる。マモルが愛とは何か自問するシーンでは、震える声色で彼の心情を体現。そして陳内は、ダイゴ、ユウジ、マモルとは一線を引いた役どころのオザワを、アンニュイな雰囲気を湛えつつ形にする。また冒頭のオザワによる1人語りでは、軽妙な語り口によって観客を劇世界に引き込んだ。

公演は10月21日まで。なお、明日10月10日の初日と、21日の千秋楽の昼夜公演は、Streaming+で生配信される。アーカイブ映像は配信終了から1週間視聴可能となっている。

「BIRTH」

2020年10月10日(土)~21日(水)
東京都 よみうり大手町ホール

脚本:シライケイタ
演出:千葉哲也

キャスト

ダイゴ:梅津瑞樹、前山剛久
ユウジ:杉江大志、玉城裕規
マモル:後藤大、佐藤祐吾
オザワ:陳内将、北園涼、章平

(c)シライケイタ/BIRTH製作委員会

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