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いま、最高の一本に出会える

「海辺の映画館―キネマの玉手箱」舞台挨拶の様子。上段左から時計回りに、MCを務めた安藤紘平、細田善彦、細山田隆人、山崎紘菜、山崎紘菜、吉田玲、大林宣彦、常盤貴子。

「海辺の映画館」TIFF上映に大林宣彦が登壇「あと3000年は生きて作ろうと思う」

ナタリー

19/11/1(金) 22:55

「海辺の映画館―キネマの玉手箱」の舞台挨拶が本日11月1日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、監督の大林宣彦、キャストの常盤貴子、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、山崎紘菜が登壇した。

本作の舞台は、閉館日を迎える広島・尾道で唯一の映画館。最後のオールナイト上映で戦争映画を観ているうちに、3人の若い観客が映画の世界にタイムリープしてしまうファンタジーだ。大林は今作で20年ぶりに尾道で撮影を実施した。

イベントの幕が上がると、まず大林への「第32回東京国際映画祭 特別功労賞」の授与が行われた。大林は「感謝感激雨あられです。今日は俳優さんたちがいっぱいいらっしゃってます。みんな同じ仲間なのでよろしく」と挨拶し、「貴子ちゃんは?」と舞台袖に話しかける。観客の前に現れた常盤から花束が贈られ、大林は笑顔を見せた。

続いて、キャストの面々が登場。2000年公開の「マヌケ先生」に出演した厚木は「尾道で20年前と同じスタッフの皆様とお会いして、役名も同じでした。ある意味役の続きのようなものを演じさせていただきましたね」と過去作とのつながりにしみじみ。厚木と同じく観客役で出演した細山田は「監督はご病気になりながらも使命を強く持って、それを作品に託して撮影されました。初めて観たときは没入感がすごくて、咀嚼しきれませんでした」と言い、3人目の観客を演じる細田は「初めて監督の作品に参加しましたが、3人の中で映画を通して一番成長したと思います。皆さんが映画を体感したことによって、映画館を出たときに未来について考えてくださったら」と観客へ投げかけた。

静かに聞いていた大林は「映画は学校と言いましてね、本当にいろんなことを学ぶんですよ。こんなふうに成長してくれる俳優がいてくれるから、映画は他人事ではなく自分事になる。お客さんが自分と役の体を入れ替えて、人生の何かをそれぞれ学ぶことができるんです」と語りかけ、「校長からのお話でした」とお茶目に言葉を結ぶ。

4つの役を演じたという山崎は「実は密かにミュージカルやアクション、方言を使う役をやってみたいと思っていたら監督がこの映画で全部叶えてくださいました! 本当にありがたいです」と大林に感謝を伝える。続いて“走馬灯”というキーワードで映画を説明したのは常盤。ゼロ号試写を観たときのことを振り返り、「サービス精神旺盛で、周りにあるネタをすべて映画にしてしまう監督が、走馬灯を見させてくれたんだなと思わされました」と本作を説明。「映画史の中でもこんなことができる監督はいないと思います。監督の本当の走馬灯もこれなんじゃないかな?」と言うと、大林は「正解!」と声を弾ませた。

ヒロイン役の吉田は「大林校長の学校に転校してきたわけですが、学校で学べない戦争のお話を映画で学べました」とコメント。大林は「映画の学校で勉強中の子供ですので、大林恭子が身柄を預かっております」という冗談で笑いを誘い、「そのうち社会に出ますのでいろんなチャンスを与えてやってください」と吉田を優しくフォローする場面もあった。最後に大林は「山田洋次さんには『大林さんにはこれで終わりというものがない。この人はいつも進化しているから』とお褒めの言葉をいただきました。今まで人間がやったことより、やってないことのほうが多い。だからやらないことをやれば星の数以上に面白い光景ができるんだというのが持論です」と語り、「あと2000年、3000年は生きて作ろうと思っています」と力強く宣言した。

本作が上映されたJapan Now部門では、大林の監督作「花筐/HANAGATAMI」「異人たちとの夏」「野ゆき山ゆき海べゆき」「さびしんぼう」もスクリーンにかかる。

(c)「海辺の映画館―キネマの玉手箱」製作委員会/PSC 2020

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