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Happy Around!が見せたユニットとしての進化 『D4DJ』ならではの強みも発揮した初ワンマンを振り返る

リアルサウンド

21/1/4(月) 16:00

 Happy Around!が12月13日、Zepp Haneda(TOKYO)にて有観客&配信ライブ『Happy Around! 1st LIVE みんなにハピあれ♪』追加公演を開催した。

 Happy Around!(以下:ハピアラ)は、メディアミックスコンテンツ『D4DJ』に登場するDJユニットで、西尾夕香(愛本りんく役)、各務華梨(明石真秀役)、三村遙佳(大鳴門むに役)、志崎樺音(渡月 麗役)の4名で構成。彼女たちにとって初のワンマンライブであるこの日のステージは、TVアニメ『D4DJ First Mix』の放送期間と重なることもあり、まさに絶好のタイミングで迎えることとなった。

 幕開けとなったのは、TVアニメオープニングテーマ「ぐるぐるDJ TURN!!」。そこから「君にハピあれ♪」「Happy Music♪」といった今回のライブタイトルに相応しい楽曲を、序盤から惜しみなく披露していく。また、カバー曲「DIVE TO WORLD」で志崎、「バラライカ」では三村がセンターに立つ場面もあった。

 ここまでで早速、TVアニメ制作を経ての“恩恵”を預かることができた。というのも、これまでに比べて、彼女たちの歌声が“役柄の声を演じる”というよりもむしろ、キャラクターらしさがナチュラルに滲み出て、それが歌声としても放出されているような印象を抱けたのである。いわば、演じる者としての“体幹”が強化されていたのだ。これは、TVアニメを通してキャラクターと共にする時間が長くなったためだと想像されるほか、そういった気付きこそがリアルタイムな作品の楽しみ方とも受け取ることができる。

 また、今回のステージから志崎の持つショルダーキーボードのオリジナルデザインへ変更。KORGの協力により完成したHappy Around!・渡月 麗専用のKEYTAR(RK-100S 2)が初披露された。作中に登場するモデルと同じデザインのショルダーキーボードを抱える姿は、キャラクターとのリンクのさらなる深まりを感じさせた。

 するとここで、あるサプライズが。なんと、ライバルユニットであるPeaky P-key(以下:ピキピキ)より、高木美佑(犬寄しのぶ役)がステージに姿を見せる! 彼女はこの日、初ワンマンライブを迎えたハピアラへの祝い代わりに、無料配信映像では流れない会場限定でのDJプレイを披露。ピキピキの代表曲「電乱★カウントダウン」→「Gonna be right」→「CYBER CYBER」→「最頂点Peaky&Peaky!!」→「Let’s do the ‘Big-Bang!’」を繋ぐ、エネルギッシュなひと時を演出してくれた。

 さらに、高木はライブ中盤にも再び登場。DJクノイチの二つ名を持つ彼女が、DJマッシュこと各務をリードする形で、ターンテーブルを使ったスクラッチプレイや、クロスフェーダを操るDJセッションを繰り広げる(目敏いファンは開幕前すでに、ステージ上にCDJが4台あることを不思議に思っていたようだ)。また、B2Bパートでは、Photon Maiden「Discover Universe」→Lyrical Lily「銀河鉄道の夜に」→Merm4id「Make some noise!」→燐舞曲「prayer[s]」→Photon Maiden「A lot of life」の順で、ハピアラとピキピキ以外のユニット曲を技巧豊かに交互に繋いでいった。

 今回はあくまでハピアラのライブながらも、このパートには特に、『D4DJ』という作品の進化ぶりが総括されていたのではないか。それは、あくまでユニット単位での活動をベースにしながら、DJ1名だけでもステージングを可能にする“機動力の高さ”を発揮していたほか、DJ担当は他メンバーと舞台上での距離が発生する分、どうしても歌とダンスに注目が集まりがちなものの、このパートはその課題を解決していたと思うからである。

 加えて、ライブに足を運ぶハードルがまだ高い昨今の状況下において、今年10月に発売されて間もない「Discover Universe」や、収録シングル発売前の「最頂点Peaky&Peaky!!」などを大音量で浴びたかったファンことディグラーも多かったはず。そういった願望を大いに発散してくれる役割もあったのかもしれない。

 何より『D4DJ』は、今年春の外出自粛期間中より毎週金曜日に「#D4DJ_DJTIME」を生配信しており、最近ではキャストのDJプレイはもちろん、彼女たち本人のモーションキャプチャを用いてキャラクターがDJする姿をオンエア。『D4DJ』に関する“DJらしさ”を大いに担保しながら、挑戦的なアプローチを続けている。そういった日頃の成果をステージに集約しながら、DJプレイのみでフロアを大いに揺らすことができた点で、会場限定ではもったいないほど、見どころに溢れたプログラムだった。

 6曲目以降は、初歌唱となった「正解はひとつ!じゃない!!」や、おなじみの「ココロオドル」といったカバー曲を機軸に、オリジナル曲を交えて色彩豊かにパフォーマンス。特に、アニメ挿入歌「Make My Style」「ぎぶみーAwesome!!!!」は今回が初披露だったのだが、すでにアニメ本編での文脈共有がなされている分、ディグラーの盛り上がりもひとしおだ。そこから「気分上々↑↑」「恋愛レボリューション21」といった幅広い世代に愛されるアンセムから、作品の“顔”といえる「Dig Delight!」まで、“ハピアラだからこそ”な難しく考えずに単純に“アガれる”楽曲を届け、約1時間半のステージをやりきった。

 そんな彼女たちのライブは当初、今年3月に予定されながらも延期に延期を重ねてきた経緯がある。おそらくこのステージに没頭してほしいという優しさがあってだろう。当日は、西尾が最後のMCにて「(ライブ延期は)悪いことばかりじゃなくて、今日だったからこそできる曲数やパフォーマンスの熟練度になったり、絆も深まったので、良いものを見せられたんじゃないかな」と語ってくれた通り、キャラクターとますます一体化した歌い方やダンス、スキルアップしたDJプレイなど、今、この瞬間だからこそ楽しめるステージを目撃することができた。

 実際にその光景を思い返した際、「君にハピあれ♪」のこんなフレーズが思い浮かんだ。

〈HAPPYはL→R ビュンビュン駆け抜けてく/そこらじゅう、あふれだす キョロキョロしちゃうね〉

〈HAPPYは前後ろ ジャンジャンすり抜けてく/気を抜くと取り逃す ヒヤヒヤしちゃうね〉

 この曲を聴くと、ハピアラなりの“幸せの捉え方”が改めてよくわかる。幸せは、いつだってすぐ近くにあるのだ。形は変われど、彼女たちが絶えずに音楽を届けてくれたこの一年間と、前述した“幸せの捉え方”が随所に表れた今回のステージが、その証明になりえるだろう。そんなハピアラが放つ福音を浴びたすべての人に向けて、当日のライブに参加した一人として、これからの毎日も心から“ハピあれ”と願いたい。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

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