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くっつきそうでくっつかない波瑠と松下洸平 『#リモラブ』心温まるSNSでの恋愛事情

リアルサウンド

20/11/12(木) 6:00

 檸檬を青林(松下洸平)だと知りながら、自分が草モチだと言い出せない美々(波瑠)。檸檬と草モチの正体に勘付いた五文字(間宮祥太朗)は、そっと2人の関係をアシストしようと試みる。『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』(日本テレビ系、以下『#リモラブ』)の第5話では、くっつきそうでくっつかない、絶妙な距離感で恋愛を繰り広げる2人の様子が描かれた。

 特に『#リモラブ』において注目すべき設定は、今の “コロナ禍”をきちんと反映している点である。キャストはマスクをし、産業医の美々は飛沫を気にし、密であることに注意を払う。しかしそのことが原因で、美々がお得意先への接待を中止にさせてしまい、営業部だけでなく人事部にまでフォローしてもらう事態に発展してしまった。さらにこのことが発端となり、朝鳴部長(及川光博)の息子・保(佐久間玲駈)を預かりBBQをするも、コロナ禍の影響で会話もできず、保はあまり楽しめなかった様子。

 第5話ではこうした世間のリアルな現状がより濃く反映され、“今”の人間関係の難しさや、“今”だからより心温まるSNSでの恋愛事情などが描かれている。

 こうしたシビアな現実を突きつけながらも、最後まで笑顔で観ることができるのも『#リモラブ』の魅力である。例えば、八木原(高橋優斗)と栞(福地桃子)が、電話での言葉足らずな会話とSNSの写真を理由にケンカをしてしまうものの、仲直りの際にはいつもの決め台詞「かわいいぞ、コノヤロー!」が飛び出し、愛らしさに拍車をかける。

 さらには美々と青林がかくれんぼ中のクローゼットの中でいい雰囲気になり、まさにキス寸前と思いきや、青林は美々のホクロをゴミと勘違いしてとろうとしただけだったなど、ベタすぎるコントのごとく笑えるシーンをこれでもかと挟んでくる。しかし美々を演じる波瑠の類稀ない表現力や一人芝居の力量、プライドと恋に揺れ動く様が秀逸で、決してただふざけているだけの作品では終わらせない土台の強さを持っていた。さらに青林を演じる松下もまた、綺麗な手と長い指でスマホを包み、実に愛しそうにメッセージを打つ。こうした描写にも、青林が真摯に“草モチ”と接していることが滲み出ており、SNSでの恋もなんだか良いものだと心を温かくさせてくれるのだ。

 本作は華美な衣装や、華々しい業界を描いたものではないが、普遍的な日々の中に詰まったドラマが魅力的に描かれている。登場人物も一人ひとりの個性が丁寧に作り込まれており、キャラクター同士の関係性に惹かれてしまうほどの没入感を持っている。実際に五文字と青林の「ごもちゃんあおちゃん」コンビは可愛さに胸を鷲掴みにされる威力を持ち、2人のシーンになるたびに笑顔になれるのだ。

 そしてもう一組、忘れてはならないのが、「ゆりっぺ(江口のりこ)と肇ちゃん」の同級生コンビだろう。こちらもまた、大人の魅力溢れる仲良し感を提供しており、我々の心に潤いを与えてくれる。こうした登場人物の絶妙な関係性こそが、なかなか友人と会いにくい現状にある我々に束の間の癒しを与えてくれているのだろう。

※高橋優斗の「高」ははしごだかが正式表記。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜23:00放送
出演:波瑠、松下洸平、間宮祥太朗、川栄李奈、高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、福地桃子、渡辺大、江口のりこ、及川光博
脚本:水橋文美江
演出:中島悟、丸谷俊平
プロデューサー:櫨山裕子、秋元孝之
チーフプロデューサー:西憲彦
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/remolove/
公式Twitter:@remolove_NTV
公式Instagram:@remolove_NTV

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