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最後の王者は? 新リーグ1部に滑り込むのは? トップリーグいよいよプレーオフへ!

ぴあ

ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス) (c)スエイシナオヨシ

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熱戦続きのリーグ戦最終節から1週間、『ジャパンラグビー トップリーグ2021』がいよいよプレーオフトーナメントに突入する。来季スタートする新リーグ1部入り、そして最後のチャンピオンを決する戦いが始まるのだ。

それにしても、リーグ戦は最後の最後まで目が離せなかった。4月10日・花園ラグビー場ではNTTドコモレッドハリケーンズが躍動。昨季0-97と記録的大敗を喫した神戸製鋼コベルコスティーラーズを相手に80分経過時点でリード、ラストプレーでモールからトライを許し29-31の逆転負けとなった。惜しくも金星を逃したヨハン・アッカーマンヘッドコーチ(HC)は、試合後の会見で「今日のパフォーマンスをひと言でまとめると、非常に誇らしい」と胸を張った。

翌日の花園でもラストプレーでドラマが起こった。トヨタ自動車ヴェルブリッツとクボタスピアーズのスリリングなシーソーゲームは、自陣22mラインでの連続アタックからオフロードパスを受けたWTB高橋汰地が独走トライ、SOライオネル・クロニエが決勝コンバージョンを決め25-24とカンファレンス2位を獲得したのだった。前節・サントリーサンゴリアス戦に続き2試合連続逆転負けとなったクボタだが、「結果は残念だが、ここから立て直すことが大事。この負けがプレーオフへ向けて重要な糧になるようにしっかり修正していきたい」(立川理道主将)、「この試合はいい学び、ポジティブに捉えて成長していきたい。自分たちにフォーカスして、ノックアウトステージを戦っていきたい」(マルコム・マークス)と前を向いた。各カンファレンスの順位、個人賞は次の通り。

【レッドカンファレンス(RC)】
1サントリーサンゴリアス 7勝・420得点129失点・勝点34
2トヨタ自動車ヴェルブリッツ 6勝1敗・288得点186失点・勝点28
3クボタスピアーズ 5勝2敗・236得点130失点・勝点25
4NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 3勝1分3敗・236得点254失点・勝点17
5東芝ブレイブルーパス 3勝4敗・224得点229失点・勝点16
6Honda HEAT 1勝6敗・133得点240失点・勝点6
7三菱重工相模原ダイナボアーズ 1勝1分5敗・123得点309失点・勝点6
8宗像サニックスブルース 1勝6敗・139得点322失点・勝点5

【ホワイトカンファレンス(WC)】
1パナソニック ワイルドナイツ 6勝1分・318得点76失点・勝点31
2神戸製鋼コベルコスティーラーズ 6勝1分・289得点138失点・勝点29
3NTTドコモレッドハリケーンズ 4勝3敗・175得点175失点・勝点17
4リコーブラックラムズ 3勝4敗・179得点184失点・勝点17
5キヤノンイーグルス 3勝3敗・176得点230失点・勝点16
6ヤマハ発動機ジュビロ 3勝4敗・239得点240失点・勝点15
7日野レッドドルフィンズ 1勝5敗・90得点238失点・勝点7
8NECグリーンロケッツ 7敗・139得点324失点・勝点1
※第6節・日野×キヤノンは中止、規定により引き分け扱い、勝点2ずつ加点。

個人賞
【最多トライゲッター】テビタ・リー(サントリー)/マロ・ツイタマ(ヤマハ発動機) 10トライ/初受賞
【得点王】ボーデン・バレット(サントリー) 128得点(6T/37G/8PG)/初受賞
【ベストキッカー】田村優(キヤノン) キック成功率(G:21回中19回成功/PG:3回中2回成功)87.0%/初受賞

RC1位・サントリーのアタックは凄まじいものがある。420得点ということは1試合平均60点である。カンファレンスが異なり一概に比較はできないが、得点2位のパナソニックに100点差以上付けているのだから恐れ入る。合計60トライもダントツだ。トライ数2位はパナソニックと神戸製鋼の43トライである。

最終節でもサントリーのアグレッシブなアタッキングラグビーは全開となった。センター(CTB)中村亮土主将、フルバック(FB)尾崎晟也らを温存、スクラムハーフ(SH)流大、スタンドオフ(SO)ボーデン・バレット、ウイング(WTB)/CTB中野将伍をベンチスタートに回しながらNTTコムを94-31と粉砕。圧巻はバレットだ。後半22分にピッチへ入ると、相手に触れさせないピンポイントのライン取りを見せてハットトリック、文句なしの得点王に輝いた。得点ランキング2位がクロニエの76得点と言えば、いかにバレットの128得点が傑出しているかわかるだろう。試合後、ミルトン・ヘイグ監督も「バレットはワールドクラスの選手だということを毎回言っているが、現役のオールブラックスでもある。20分間で挙げた3トライは、彼のワールドクラスの実力をしっかり示してくれたものだ」と全幅の信頼を口にした。

第5節・サントリー戦ではバレットのサヨナラPGで勝点2を逃したトヨタ自動車だが、2位の座を死守。サイモン・クロンHCも「この7試合でどんなコンビネーションがいいのか探り、自分たちのプロセスと確固たるチームカルチャーを確立することができた。いいリーダー陣、いい選手が揃っている。トーナメントへ向けて自分たちのやるべきこと、プロセスに集中したい」と手応えを口にすれば、茂野海人共同主将も「目標は変わらない。日本で一番のチームになること。でもあまり先のことを見過ぎても仕方ないので、目の前の試合、自分たちの果たすべき役割に集中したい」とキッパリ。

WCではパナソニックが最終節に先発を7位に入れ替えながら、強さを見せ付けた。4月10日・熊谷ラグビー場でプロップ(PR)グレイグ・ミラー、フッカー(HO)堀江翔太、SO山沢拓也らが先発、PR稲垣啓太、SH内田啓介、SO松田力也、WTB福岡堅樹がベンチに回りヤマハ発動機と対峙。開始早々56秒でミスを突き、WTB竹山晃輝が独走トライを決めると、CTBディラン・ライリーのハットトリックなどで55-19と難敵相手に危なげない勝利を飾った。試合後、ロビー・ディーンズ監督は「今日はチームとしても特別な日。堀江翔太選手がワイルドナイツとして通算150試合出場の試合だった。コーチとしてこのような選手を指導できること、一緒にラグビーができることを光栄に思う」とゲームキャプテンを称えるとともに、「トーナメントはやるか、やられるかの戦いになる。さまざまなことを準備していきたい」と次なる戦いを見据えた。

第6節のパナソニック戦は13-13の引き分けながら、勝点2差で2位なった神戸製鋼だが、プレーオフには3試合出場で9トライを量産したNO8ナエアタ ルイが帰って来る。デーブ・ディロンHCは「パナソニックに次いで2位通過であるが、大きく離されていない。成長しなければならないが、コロナ禍で開幕が延期となり準備が難しい中、リーグ戦を終えてハッピーだ」と及第点を与えた。最後尾からチームを見続けたFB山中亮平は第4節・リコー戦に続き、最終節も苦戦を強いられたことを反省。「勝つ時はいいラグビーができるが、リコー戦など取り切るところで取り切れない。取り急いで普段の自分たちを出し切れていない。試合中の早い段階で修正できればいいが、今日は最後まで引きずった」と課題を口にした。

プレーオフでは『トップチャレンジリーグ2021』1位・豊田自動織機シャトルズ、2位・近鉄ライナーズ、3位・コカ・コーラレッドスパークス、4位・清水建設ブルーシャークスも戦いの輪に入って来る。下部リーグと侮ってはいけない。豊田自動織機がイングランド代表フレディー・バーンズ&サモア代表トゥシ・ピシという屈指のゲームメーカーを揃えれば、近鉄にはSHウィル・ゲニア&SOクウェイド・クーパーという元ワラビーズハーフ団とともに1月の『第57回全国大学選手権大会』で天理大学を初の日本一へ導き、4月12日の日本代表候補にも選出されたCTBシオサイア・フィフィタも名を連ねる。プレーオフトーナメントの組み合わせは以下の通り。

【1回戦】
4月17日(土) M57 三菱重工×コカ・コーラ パロ瑞穂ラ
M58 豊田自動織機×NEC 花園
4月18日(日) M59 清水建設×日野 たけびし
M60 宗像サニックス×近鉄 秩父宮
【2回戦】
4月24日(土) M61 東芝×リコー パロ瑞穂ラ
M62 サントリー×M58勝者 秩父宮
M63 クボタ×ヤマハ発動機 江戸川
M64 M57勝者×神戸製鋼 花園
4月25日(日) M65 M60勝者×パナソニック 花園
M66 トヨタ自動車×M59勝者 秩父宮
M67 NTTコム×キヤノン 江戸川
M68 Honda×NTTドコモ パロ瑞穂ラ
【準々決勝】
5月8日(土) M69 M67勝者×M65勝者 熊谷
M70 M66勝者×M68勝者 えがおS
5月9日(日) M71 M63勝者×M64勝者 エコパ
M72 M62勝者×M61勝者 昭和電ド
【準決勝】
5月15日(土) M73 M70勝者×M69勝者 花園
5月16日(日) M74 M72勝者×M71勝者 花園
【決勝】
5月23日(日) M75 M74勝者×M73勝者 秩父宮

初戦から興味深いカードがズラリと揃う。豊田自動織機×NECと宗像サニックス×近鉄は、トップチャレンジ勢が下克上を果たすのか、トップリーグ勢が意地を見せるのか、注目される。WC3位となったクボタは2回戦でヤマハ発動機と当たる厳しい組み合わせとなった。清水建設×日野の勝者と対峙するトヨタ自動車とはカンファレンス2位と3位の大きな隔たりが生じたと言える。4月11日、キヤノンで今季初出場初トライをマークしたNO8アマナキ・レレイ・マフィはいきなり古巣NTTコムと顔を合わせる。東芝×リコー、Honda×NTTドコモなどという好カードも並ぶ。NTTドコモ大躍進の原動力であるTJ・ペレナラはプレーオフへ向けて、「3位はうれしいし、誇りに感じるが、勝てる試合を落としている。もっと勝ち切り、成長しなければならない。トーナメントは全部勝ちにいくつもり。まずは目の前のことをひとつずつやり、ビッグチームに対して最後のもう一歩を改善していけば、どのチームでも勝てると思う」と鼻息が荒い。

『トップリーグ2021』プレーオフトーナメントは4月17日(土)に開幕。1回戦のチケットは発売中。2回戦のチケットは4月21日(水)午前10時より一般発売。準々決勝のチケットは4月25日(日)午前10時~26日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月1日(土)午前10時より一般発売。準決勝のチケットは4月25日(日)午前10時~26日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月12日(水)午前10時より一般発売。決勝のチケットは5月9日(日)午前10時~10日(月)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ、5月19日(水)午前10時より一般発売。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

トップリーグ特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-topleague/

ジャパンラグビートップリーグ2021プレーオフトーナメントチケット情報
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?pfdy=&kw=%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0&sg=0300103&mode=3

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