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BOYSぴあSelection 第16回 FlowBack

FlowBack「ためらわずに前へ。挑戦を続ける5人が見つけた“今の答え”」

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特集

19/6/19(水)

作詞・作曲、振付構成、グッズデザイン、衣装などを自らプロデュースする、5人組ダンスボーカルグループ・FlowBack。ファーストアルバムから約2年、待望のセカンドアルバム「do not hesitate」は、2019年6月19日発売です。

過酷な全国20ヵ所・25公演のライブツアーの合間を縫ってのアルバム制作で、肉体的にも、精神的にもつらかったこと間違いナシのメンバーですが、インタビュー中の彼らの顔は、落ち着きと自信があふれ、何だかいつもより男っぽいかも……。「ファーストアルバムでは『捨て曲ナシ!』と言っていましたが、今回のアルバムはひとつの作品として、よりまとまっていると思います」と余裕の笑顔で語ります。

パフォーマンス中はクールでも、MCになるとメンバー同士のふざけ合いがキュート、インタビュー中のじゃれ合いは笑いが飛び交う彼らの素顔、アルバム紹介と共にチラリとお見せします!

挑戦が詰まった、ループして聴きたくなるアルバム

左から、TATSUKI、REIJI、MARK、MASAHARU、JUDAI

─── 『ぴあ』では初登場の皆さんですが、まずは軽く自己紹介をお願いします!

JUDAI FlowBackではラップを担当しています、JUDAIです。ライブ中だと、お客さんを煽ったり、グループの闘争心をかき立てたり、僕の立ち位置はそんな感じです。

TATSUKI 振付と構成、そしてリーダーやってますTATSUKIです。僕もそんな感じです(笑)

JUDAI 「ウサギが好きです」とか言わなくてもいいの?

TATSUKI 別に好きじゃないし!

REIJI グッズデザインを担当しています、REIJIです。絵を描くのが好きで、フィリピンと日本のハーフです。ライブではみんなと盛り上がるのが好きで、笑顔が好きで、常に楽しいことを考えています♪

─── 先日のライブで、REIJIさんの描かれた作品を拝見しました。ファンの皆さん、写真を撮っていましたね!

REIJI 嬉しいです! あれ、スプレーを使ってます。自己流で、ノリで描いているんですけどね。見ていただいて、ありがとうございます。

MARK REIJIと同じくフィリピンと日本のハーフのMARKです。衣装のスタイリングを担当しています。今日の衣装は違いますが、アルバムの衣装はスタイリストさんと相談しながら、ウェスタンのイメージで決めました。

─── メンバー1人ずつの、イメージの違いも提案されるんですか?

MARK 普段、着ているものから判断してます。毎日一緒にいるから、なんとなく好みを汲み取りつつ、まあ挑戦もしてもらって。よりそのメンバーの個性を追求することもあります。毎回、スタイリングのテーマは違うんですけどね。

─── 皆さんの体型の変化とかも把握してらっしゃるんですか?

MARK そうですね、パッとサイズ感とか訊かれても、何となくわかるかな。僕ら、太ることはないですけど、トレーニングをしているから体のシルエットは変わるんです。「今の体型だと、こういうのが似合うんだろうな」なんていうのはよくあります。

─── なるほど! では自己紹介最後は、MASAHARUさん!

MASAHARU 一部の曲ですけど、作詞作曲を担当しているMASAHARUです。最年長です。

─── これは良い意味に受け取っていただきたいんですけど、最年長に見えない! 基本的に皆さんそうなんですけど、MASAHARUさんは特にお肌がキレイですよね。

MASAHARU いえいえ、あの……隠し隠し(笑)

一同 (笑)

─── ではセカンドアルバムについてお訊ねします。「do not hesitate」とは、「ためらわない、躊躇しない」という意味です。どんな意見が出て、最終的にこのタイトルになったんでしょう?

JUDAI 各自でアルバムタイトルのアイデアを持ち寄った、その結果です。「今回のアルバムには、一番いいかも。合うよね」って。

TATSUKI レコーディングしながら決めたよね。

JUDAI 今までFlowBackがやってこなかったような、明るめでキラキラした曲とか、ガツガツとしてヒップホップっぽい、コアな感じの曲とか、女心を歌った挑戦的なバラードなんかが入った、ひとつのジャンルにしぼることの出来ないアルバムなんですね。それがいろんな意味で「躊躇してない」ってことで。今までやってきたFlowBackの活動があったからこそ、違うことをやってみようという思いが、タイトルに込められています。

─── ファーストアルバムとの違いは?

TATSUKI ファーストアルバムの時は、「VERSUS(バーサス)」ってタイトルだし、ジャケットを見た時点である程度こちらの意図がわかったんです。つまり「挑戦」って答えを掲げてのアルバムで。でも今回は「do not hesitate」で、ちょっと難しい言葉でもあるし、このアルバムだけじゃ答えは見えない。ライブツアーもつながって、すべてのFlowBackの活動を通してやっと答えが見えるのかな、と思います。

JUDAI 個人的には「VERSUS」を経たから、「do not hesitate」という次のストーリーにたどり着けたと感じています。「VERSUS」はメジャー一発目で、新しい場所で戦っていくっていう決意があった。そこから2年の月日が経って、自分たちのできること・苦手なこと・メンバーの大切さ・応援してくれるファンの人たち……そういういろんなことに改めて気づいて、新しい感情も見つけられて、結局はつながっているのかなって。実は今回、このインタビューの前にひと通り音源を聴いてきたんですけど、そう感じました。

TATSUKI 特に前回の「VERSUS」でいうと、自分たちFlowBackのことを歌にしたっていうのが、ザッとしたイメージなんです。でも今回は逆に……俺たち、メジャーデビューして3年目?

JUDAI 3年目だね。

TATSUKI 3年目に入って、音楽で人の心に思いを届けたいという気持ちが、とても強くなりました。このセカンドアルバムには、自分たちの目線じゃない曲も結構あって、例えば「Get you!!」はあえて学生時代の曲を今、僕たちが歌うみたいな。そして「Last song」は女性の気持ちを歌った曲ですし、自分たちのことを表現するっていうよりか、FlowBackでその人の歌を歌うっていうイメージです。「VERSUS」とはそこに違いがあるかもしれない。

─── 1枚目は「これがFlowBack!」というコンセプト。2枚目で、いろんなメッセージが伝えられるようになった?

TATSUKI まさしくそうです。

JUDAI セカンドの方が、ファーストよりもアルバムっぽいですよね。ファーストでは「捨て曲なし」っていうのを掲げてやっていて、全曲シングルくらいの思いだったけど、今回はいい意味で力が抜けて、アルバムらしくまとまったかなって。それは強く感じます。

─── バラエティ感満載ですしね。

MARK なんか、ループして聴きたくなりますよね。

─── 通して聴きたくなりますね! 

─── アルバムタイトルに因んだ話になりますが、皆さんがファーストからセカンドの間でhesitateしたこと、つまり躊躇してしまったことって何かありましたか? そしてそれは乗り越えられましたか?

JUDAI それはぜんぜん……ありますね。それこそ今年2月~4月のツアー、全国20ヵ所・25公演やったんですけど、FlowBack史上最多で。多いところでは3公演連続だったりしたんですけど、正直、最初に言われた時は、「今、FlowBackにとってこの25公演が必要なのかな」って思いました。

─── 多すぎると思ったんですか?

JUDAI 多いというか……僕らの一番新しいシングルが「Weekend」で、その一個前が「ALWAYS」で、約1年とか結構な間があいているんです。まあ、その間にコンセプトミニアルバムとかは出てますが。

─── ちょっとゆったりスケジュール。

JUDAI なんか自分たちの中で、去年は後悔というか「ああしとけばよかったな」とか、そういう不完全燃焼な年でした。ベストはつくしたつもりでいるんですけど、ちょっと歯がゆいというか、そんな1年だったんです。なので、そんな中で25公演やるって言われたときは、正直、躊躇しました。

─── 普通でも躊躇したい数ですものね。

JUDAI 何よりキツイなっていうマイナスな感情しか出てこなくて。「なんでこれ今やるんだ?」「この先にどんなビジョンを持てばいいんだ?」とも思いました。でも今は、メンバーとファンのみなさんとスタッフとで乗り越えることができて。「ああ、皆さんのおかげです!」って素直に思えます。

─── 最終日に私も拝見させていただきましたが、皆さんいいお顔でしたよ。

MARK ありがとうございます!

TATSUKI 嬉しいです。

─── ライブツアーを終える際に、たどり着いた新たな場所があった、という感じがして。

JUDAI ライブツアーの最中では、メンバー同士たくさん話して、なんかメンバー個々の本質というか、何を考えながらステージに立っているのかとか、そういうことがわかりました。ライブをしていてもそれが通じてくることもあったし、気づけば以前よりも迷いがなくなっていました。

TATSUKI さっき言った楽曲の面でも、「捨て曲ナシ!」っていうのをファーストアルバムでやっていたけど、JUDAIが言ったみたいにいい意味で力が抜けて。今までは躊躇してできなかった「Get you!!」みたいな曲とか、そういうジャンルにもやっと、踏み出せたんじゃないかなって。それまではFlowBackのイメージっていうものを作らなきゃいけないから、いかにカッコよくを、妥協せずにやってきたんだけど、いい一歩になったんじゃないかな。

─── その一歩が可能だったのは、ファンの皆さんも、FlowBackを1つのイメージにとらわれず、見られるようになったからかもしれないなって思いました。

JUDAI もちろん2年間で積み上げてきたものがあるからこそ、その曲をやって評価された、ファンの皆さんが喜んでくれたと思います。

REIJI 力が抜けただけではなくて、2年間で表現の幅も広がったのかな。ファーストアルバムでは、自分たち自身を全面的に押し出しましたが、セカンドに関しては、「Get you!!」だったり「Last song」だったりとか、自分じゃない第三者が主人公になっている曲を歌って。演じるようにっていうのもそうだし、「Last song」ではハモっているし、これらは今までにない、新しい表現方法ですね。

─── 「Last song」、私は何度も聴きました。

一同 嬉しい!

─── MARKさん、MASAHARUさんにも、ぜひためらったこと・乗り越えたことをお伺いさせてください。

MARK えっと、僕、あんまりためらうというか、躊躇をしなくて。躊躇をしてしまうことは、僕にとってはやりたくないことっていうか。だからこそ、躊躇せずにやれているもの自体が、僕にとってやりたいことなんです。

─── すごい、わかりやすい!

MARK 自分の人生において、こうやってFlowBackに入って、何か躊躇したかと言えば、意外となくて。良くも悪くもやりたいことを突き詰めるタイプだし。グループの中で悩みとかいろんなものはあるんですけど ──例えば最近だと25公演の壁とか ──でも躊躇はなかったですね、そういう意味では。

─── メンバー同士で意見がぶつかったときに、悩むことは?

MARK それは悩みます。特に25公演中は毎週末メンタルと体力が同じくらい削られるライブがあって、残りの日も別に休みじゃないという状況で、まあぶつかることもあって。でもマイナス的なものではなくて、前に行こうとしているプラスの意見の交換ならば、主張しないと始まらない。だからそのぶつかりすら、躊躇はなかったです。

TATSUKI ライブ以外の日はアルバム作ってたよね(笑)

JUDAI 金土日ライブして、月火水でアルバム、木は前乗りだもん。

─── すごいハード……!

TATSUKI このシーズンは、ずっと歌っていました。

MARK 話戻しますけど、グループで活動しているとはいえ、生きている限りは自分のことは絶対的に可愛いと思うんです。でもこの5人で歩んでいく限り、いかに意見や価値観を織り交ぜていくかだと思うんです。

─── 異なる意見や価値観を、最終的に誰がまとめるんですか?

MARK あんまり誰が、とかないかもしれない。なんとなくの空気? 基本的にはTATSUKIがリーダーなので、率先してグループのことは、ケツ持ちじゃないですけど、いろんなことに関して手綱を引いてくれます。でもバッとぶつかり合った時に、TATSUKIが最後締めなきゃ終わらないってこともなくて……5人の空気感で何とかやってきています。

─── 長く付き合っている5人だからこそ、可能なんでしょうね。

TATSUKI ステージでライブを続けているからこそ、でしょうね。メンバー同士で一番通じ合う瞬間って、ステージの上なんです。そこがやっぱりデカい。25公演のときも、簡単なことじゃなかったし、しんどいこともたくさんあったけど、5人でパフォーマンスをして乗り越えてきたからこそ、最終的にお互いを理解し合う空気感が持てた。誰かが何かをまとめるって決めるより、ステージの上で1つの曲を成立させて、1つのライブを成立させてってやっていたら、自然と通じるようになったって感じですかね。

─── ステージ上でお互いの考えはわかりますか?

JUDAI わかるときはわかりますよ、それこそ表情で。「アレ、やばいな」って思う時もありますし。

REIJI 僕、ちょっとミスったら顔に出ちゃうんで。

─── 出そう(笑)

REIJI もう、目がデカいからキョロキョロしちゃうの分かっちゃうから。「アレ?」みたいな。それは気をつけてます。

─── それをみんながカバーするんですね。

TATSUKI それぞれがみんな、カバーし合おうとします。例えばMCでシーンって空気になったら、JUDAIが頑張ってそれを取り返そうとすることが多いかな。まあ、空回りするとかもありますけどね(笑)

MARK あとミスしたときに、あえて触れてもらって生きかえる人と、まったくもって触れて欲しくない人といますよね。それもたぶん、5人それぞれが違うんです。結構、大変だったりするかも。

TATSUKI だから今回の25公演では、毎公演終わりに反省会したんですよ、5人で。映像見ながらすれば、すぐに改善点が出るから。

MASAHARU 反省会の良かった点としては、セットリストは違いますけど、またすぐ同じライブができるから、改善点がすばやく活かせたこと。

REIJI1 結構、コミュニケーションを取るようにしていたよね。

─── スタッフなしで反省会は、メジャーデビューしたアーティストさんではなかなか聞かない話です。

TATSUKI だからこそ、5人だけで反省会しようって決めたんです。それぞれに絶対、各セクションで反省点があると思ったんです。まず5人で何がダメだったかを話し合ったうえで、打ち上げとかでスタッフ込みの反省会をする、という流れでした。

─── FlowBackがセルフプロデュースにこだわる真剣さが伝わってきました。

そして最後にMASAHARUさん、この2年でのためらいを教えてください。

MASAHARU さっきJUDAIが言ったんですけど、25公演始まる前は、僕もためらっていました。

─── これはやるべきなのかと?

MASAHARU やるべきかと悩むよりも、「やる」と決定してから急に不安になって。自分のモチベーションが持つのか、FlowBackのMASAHARUで居続けられるのか、飽きがくるんじゃないかって、いろんなネガティブな思いが……いろんなためらいがありました。でもやってみたら、本当に毎公演違うので。観客の空気感も違うし。だから大丈夫でした!
あと僕、この間誕生日だったんですけど、歳を重ねる前にためらいました……僕、28歳なんですけど、「28か……」と。

TATSUKI 一瞬、ためらった(笑)

─── 新たな歳を重ねての抱負は?

MASAHARU うーん、マイナスをする勇気を持つこと。例えばキレイに歌うとか、テクニックをガンガン見せるとか、そういうのはもうよくて。自分のありのまま、無理をせず、出てきた声で歌うとか。あと、肌とか気をつけるとか(笑) そういう、重ねない勇気を持ちたい。

REIJI ナチュラルボーイ!

MASAHARU まあ、そういうことを、最近思いました。昔はいろんなものを重ねていましたからね。

TATSUKI いろんなものを、着ていたって感じだったかな。

JUDAI 防弾チョッキとか着ていたけど、じゃあそれがなくなったときにどうするんだってことだろうね。だからこそ、なくても生きていけるようにっていう、彼の強い決意表明だと思います。

─── そういえば今日、衣装がちょっと露出目ですね!

MASAHARU そうですね(照れる)

REIJI 洋服を、マイナスしてったほうがいいんじゃない?

MASAHARU そういうことじゃないから(笑)

─── 強がらなくても、カッコつけなくてもよくなった?

MASAHARU カッコはつけていたんです。ただ無駄な重ねは必要ない。あんまり力が入りすぎている自分は、いらないなって。

─── これはMASAHARUさんを含め皆さんに言えるんですけど、デビューから比べてなんか、「大人の男」になったという感じが……。

REIJI 今、大人の階段上ってますから!

初めての女性目線の曲は、思いだして涙が止まらない!?

─── 先ほどと一部かぶりますが、収録されている新曲について伺いたいです。みなさん、それぞれ思い入れの強い曲を教えてください。

REIJI 「きみのうた」って曲があるんですけど。これ、MASAHARUくんが作曲して、僕が作詞をしたんですけど、やっぱり思い入れが強いですね。

MASAHARU この曲、トラックは書いていただいて。メロディを書きました。僕、すごく久々にFlowBackの曲を書いたんですけど、最初、メロディがあんまり浮かんでこなくて、悩みました。結構何日もかけて苦労して出来た曲なので、僕も思い入れが強い曲といったら、これです。あとREIJIのまっすぐな、回りくどいことが一切ない歌詞が印象的でした。

JUDAI 僕は……なんだろうなあ。今回のアルバム曲の歌詞は、意外と悩んでなくて。前回はみんなに「助けて」と言って寝不足と戦いながら作ったんですけど、今回は意外とスンナリ。全曲作詞に参加させてもらっているけど、うーん、僕、あんまり辛そうじゃなかったでしょ?

TATSUKI 確かにテンパってなかった。

JUDAI うーん、思い入れは全曲あるんですけど、なんだろう。あ、でもそれこそ「Last song」は初めて女性目線で書いた曲だったんですけど、制作中は映画を見ながらで……。

─── 何の映画ですか?

JUDAI 「アリー」っていう映画を見ました。

─── 『アリー/スター誕生』ですね。なぜこの映画を?

JUDAI このインタビューを読んでいる読者さんが、この後に見るかもしれないからネタバレを避けたいんですけど……まあ、GAGAさんが演じるアリーが、最後に決意表明みたいな感じで、歌うんです。そこに遺された人の思いが乗っていて。そもそもストーリーがドラマチックなんですけど、僕がもしアリーと同じ立場だったらどう思うかなって、想像しながら作詞しました。

REIJI そう聞くと、ちょっと見たくなりました、ラディ。

MARK 「ラディ」!?

TATSUKI 「ラディ」って何?! インド映画?

JUDAI ミュージカルかよ! 「ラディ誕生」(笑)

─── 今、ビックリした。ボケですよね!?

REIJI ということにしておいてください!(赤面)

TATSUKI 僕も「Last song」ですね、思い入れが一番強いのは。女性目線の曲をずっと歌ってみたかったんですけど、すごく表現が難しくて。ただ悲しくすればいいんじゃないし。あと、僕がブリッジのところで歌っているんですけど、ディレクターに「感情を無にして歌ってくれ」って言われたんです。

─── 感情を、乗せない。それは却って難しそう。

TATSUKI 自分としても初めてで。呆然として、自分の切ない気持ちはそこにあるはずなのに、完全に無になって……という風に歌うのは、挑戦でした。そこで思い出したのが、今まで自分が傷つけてきた女性を……。

MASAHARU おっと。

JUDAI 73人くらいか。

TATSUKI うるせえよ、そんなにいねえよ。高校の時とか、そういうなんかだよ!

REIJI 85人じゃなかったっけ?

─── あらら。

TATSUKI バッサバッサしてきたかもしれません。その当時の相手側の気持ちを思うと、切なくなったというか。

MARK これ一応、トピックの見出しでお願いします。

JUDAI 「TATSUKI、女を切る」

REIJI 「バッサバッサ」

─── モテそうですものね。

TATSUKI モテないんですけど! なんか、自分じゃない立場の方から恋愛を考える機会があったんで、そういう意味でも面白かったです。

─── 女性の立場から言えば、「無になる」ってわかります。フラれたときって傷つくというより、「終わった」「無くなった」ってなります。

TATSUKI 男ってちょっと違うんですよ。ただ悲しくてって感じ。

MARK 僕はちょっと女性的な部分があるんでわかります。なんか、本当に涙が止まらなくて……。

─── そうそう。

TATSUKI 無になった後にたぶん、涙がバッて、感情がバッって出るんでしょうね。この曲には、その直前の「呆然」の瞬間があるんです。

MARK 泣いた後は誰でもいいからそばにいて欲しくなりますよね。

─── わかります!

JUDAI もう大丈夫だよ。何かあった?(ニヤニヤ)

REIJI どうした~?(笑)

─── 一番、フラれた後に呼んではいけないタイプの2人がそばに(笑)

TATSUKI まあ、「Last song」はそういう女性目線の曲なので。今までのFlowBackになかったジャンルなので、思い入れが強いです。

─── これからはTATSUKIさんは女性をあまりひどく扱わないように。

TATSUKI ひどく扱ってはないです!

REIJI もっと言ってやってください(笑)

─── でも真面目に言いますが、女性ファンにとっては感情移入がしやすい曲なので、とてもライブでは受けると思います。

MARK 確かに。楽しみだよね。

─── 失恋の経験が多いとグサッときてしまいそうですが。

MARK 僕、この曲聴くたびに泣いています。この間も名古屋のリリースイベントに行くとき、車移動だったんですけが、改めてアルバム曲を聴きなおして普通に泣いてました。

一同 (笑)

MARK グループでは僕しか持ってない感情、大事だから。

TATSUKI まあまあまあまあ。

REIJI そういう経験しているから、歌えるんじゃないですかね。

─── 歌えるし、ダンスもできるし、女の子の気持ちもわかるし、いい男たちだ!

JUDAI さっき、ハモりについてREIJIが言っていましたが、あれ、単に音色をキレイにするためにハモったというよりは、1人の女性でも人格が2つあって、前向きに行こうとする自分と、立ち止まりそうになる自分が、曲の中にあると思うんです。ハモりはどちらも主旋律で、どっちもの感情が、サビとかサビ前のメロにすごくあるんで、そこに注目して聴いて欲しいですね!

REIJI いいね、鋭い観点。「女性の二面性」ってキャッチーですよね。

─── 確かに多くの女性に、二面性はあると思います。ハモりで表現って、すごく納得いきました。ではMARKさんの一推し曲は?

MARK 僕は「Repeat」って曲が推し曲です。曲自体はサッパリしているんですけど、意外とそういうサッパリしているものが、軸に必要なのかなと思っていて。インパクトある曲とはまた別で。

─── バランスの問題ですね。

MARK FlowBackの曲って、ライブのセットリストの中で、カップリング曲が予想外にライブで活躍することが結構あって。「Repeat」もその雰囲気というか。FlowBackのライブで、軸になる1個のパーツなのかなって思いました。曲調も単純に好きなんですけど、FlowBackの多面性を現すひとつになるなって。「By your side」もそうですけどね。

MASAHARU でも結局、僕は推しとかないかなあ。全部なんか、同じくらいいいよ。

JUDAI 違っていい、みたいな感じ。

MASAHARU そうそう、自分が作ったからと言って推しじゃなくて。全曲、僕はいいなあ。

MARK リード曲が「By your side」じゃないですか。本当は「OverDrive」の予定で、今までのFlowBackだったら絶対「OverDrive」を選んでたけど、今回敢えて「By your side」。でも結局は、2つリード曲があってもいいんじゃないかな。

TATSUKI 「By your side」はすごくいい曲だよね。うん、2つリード曲があってもいいかな~。

JUDAI 表と裏リード曲。

TATSUKI そうそう、そんな感じで!

MARK この2曲に共通することを1つだけ言うとしたら、どちらもダンスがしんどい。疲れちゃう。でもカッコいい曲ですよ、とっても。体力勝負ですけど。

FlowBackが一番大切にしているもの

─── では最後にお伺いいたします。私のFlowBackの結成当初の印象は、泥臭くてがむしゃらっていう活動姿勢なのに、パフォーマンスは汗をかいてないかのようにお洒落というものだったんです。でもなんか今は、男っぽさが出てきて、また違う風に見えます。この外野の意見を踏まえて、今、皆さんが活動の核としているもの、昔からこれだけはブレないと信じているものを、教えてください。

TATSUKI 多分、みんな一緒だと思うんですよ。せーので言ってみますか?

REIJI 間違ったら怖いんだけど。

TATSUKI 間違えてもいいよ、それぞれ違ったら紐解いていけばいいよ。

MARK 自分たちが、大事にしているもの。

JUDAI 目指している場所は一緒だと思うけど、言葉がたぶん違う。

MARK たぶん俺、違うと思う……。

TATSUKI いや、違くてもいいよ、じゃあ核となるもの言ってみよ! せーので!

一同 ライブ!!!!!!!

─── おおおおおおお!

REIJI 思いを届けるのはライブでしょ。

JUDAI 今、大切にしていることって言われたら、ライブ。

MARK 「圧倒的さ」を見せるライブ。

TATSUKI ライブっていうものの大切さや、僕らのライブの独自の力強さっていうのは、今回の20ヵ所・25公演のツアーを通して、すごい大事だなって気づきました。

─── がむしゃら精神は健在。

TATSUKI ツアーを通して見つけたライブ感っていうのがあるんですね。自分たちは結成当初、何をしても感動していたんですが、年月と共にそれが薄れてきて。でも25公演、全力でライブをやってみて、「俺たちはまだ感動できる! それをライブで出せる!」ってなったときに、ライブの幅広さや可能性をすごく感じて。FlowBackの根本にあるのはライブだなって思いました。

─── この前のライブの最後、TATSUKIさんがMCで「ソールドアウトするか気にしていたけど、今日は気にもならなくて、ただ楽しめた」っておっしゃるのを聞いたときに、おおって泣けました。

TATSUKI 本当ですか? ありがとうございます。まさしく今までは、会場をじょじょに大きくしていくのが自分たちのステイタスになっていて、会場がソールドアウトできなかったら自分たちを責めていたんです。

─── わかりやすい数字って、つい気になりますよね。

TATSUKI 25公演中はお客さんが来るか不安だったんですけど、僕ら5人が全力でやったら、お客さんがソールドアウトしなくてもついて来てくれました。そうなったときに、会場の大きさやお客さんの人数は関係ないって初めて思えて。自分たちがどうライブを楽しみ、全力でやれるかが大事なんだなって、ツアーが教えてくれました。自分だけが全力でやればいいんじゃなくて、5人が一緒になってやっているのが伝わったツアーだったからこそ、強く感じました。

─── 次につながる経験でしたね。

TATSUKI つなげなきゃいけないんだと思います。

MARK いい意味で、ライブ感を取り戻した気がするよね。

TATSUKI っていうか見つけたよ。

MARK マインド的なことですけどね。やっていることと言うよりは。

─── すごく、いいお話を伺えました。ありがとうございます! カッコよくて実はがむしゃらで、男っぽさが増した5人のパフォーマンスに、今後も注目していきます!

一同 ありがとうございました!

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FlowBack公式HP
https://www.flowback05.com/

(撮影/高橋那月、企画・取材/藤坂美樹、構成・文/中尾巴)

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