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己龍、アルルカン、Jin-Machine……2015年のV系シーンをライブ動員数から考察

リアルサウンド

15/1/28(水) 7:00

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 2015年のV系シーンの展望…といっても、2013年夏に書いたこちら【金爆ヒットに続くのは? 2010年代のV系シーン見取り図】と、2014年始に書いたこちら【2014年V系シーンの展望――ジャンルの壁の打破、そしてジャンル自体の底上げを】から(大局という意味では)状況は特に変わって変わっていない…というのが正直なところ。

 「ジャンルの壁(この言葉も手垢がつきすぎて、もはやバズワードと化しているのだが…)」というのもそれなりに存在しているだろうし、往年の人気バンドは復活してはその都度ファンにもバンドにもドラマを生み出しているし、ゴールデンボンバーは昨年3度めの紅白出場を果たしている。インディーズシーンに目を向けると活況とはいいがたいものの、1000キャパ以上の会場でワンマンライブのできるバンドも定期的に出てきているし(図は一例)、傍から見ていても壊滅的というわけでもない。

 今のシーンはキラキラしてスタイリッシュなサウンドとルックスのバンドもいるし、血糊まみれのバンドが大きな会場でやったりする、お笑い系だって元気だ。

Blu-BiLLioNはV系では珍しい6人編成のバンド。JPOP寄りのサウンドは間口が広いと思われる。
Jin-Machineは今年12ヶ月連続ワンマンツアー「おげれつ戦国ハナクソ相撲」で全国をまわる。わあひどいツアー名!

 たとえば結成して2年弱の間ワンマン公演はすべてソールドアウトを記録しているアルルカンの渋谷公会堂公演は今年の注目トピックの一つだし、冬将軍氏のコラム【TRANSTIC NERVE、シド、NoGoD……独自の音楽的進化を遂げたV系バンド7選】でも紹介されているNOCTURNAL BLOODLUST(ノクターナルブラッドラスト)の躍進も興味深い。つまり個人的な主観になってしまうが、今のシーンは「これといった王道」が存在しないぶん、どこを見ていてもおもしろいのだ。

アルルカンの渋谷公会堂発表の煽りVまであるのがさすがである。
NOCTURNAL BLOODLUSTは出自やテクニックが話題になることが多いが、個人的に最も抜きん出てるのは「野心」を感じさせてくれるところだと思う。
R指定(同名のラッパーがいますがこちらはV系バンドです)が2月11日にリリースする「サドマゾ」のMV。

 とはいえ、「2015年のV系シーン」というと、今最もホットなトピックは「己龍の武道館公演」だろう。

 以前【金爆ヒットに続くのは? 2010年代のV系シーン見取り図】にて「いま最も武道館に近いと目されているV系バンドが己龍」と書いたが、その彼らが今年1月の中野サンプラザ公演でついに武道館を発表した。

 インディーズながらシングルはオリコンメジャーチャート10位内に何度もランクインし、YouTubeの動画再生回数も他のV系バンドと比較してもかなり高い。ライブのセットもインディーズの規模を超えた趣向を凝らした物が多く、楽曲の世界をヴィジュアルでも表現しようとする気概を感じるのだ。さすが”ヴィジュアル”系。

己龍「悦ト鬱」は再生回数100万を越えている

 そして中野サンプラザ公演で、己龍の”唯のヴォーカル(※正式表記)”黒崎眞弥(読み方・くろさき まひろ)はMCでこう宣言した。

「ヴィジュアル系はキモくてナンボだろう!」

 ある意味自虐捉えられかねない発言は満員の会場中のファンから拍手喝采で迎えられた。そう、ヴィジュアル系は気持ち悪いのだ、”気持ち悪くてナンボ”なのだ。

 いまでこそセカオワの代名詞になっている「中二病」だが、そもそも非日常な世界観だったり、ナルシスティックな言動だったりと、いわゆる「中二」的な感覚を全力で突き詰めた結果がヴィジュアル系なんだから、開き直ってしまえばいいのだ。

 2015年のヴィジュアル系はセカオワから「中二病」を奪還する勢いで邁進してほしいと思います!

■藤谷千明
ライター。ブロガーあがりのバンギャル崩れ。執筆媒体は「ウレぴあ総研」「サイゾー」「SPA!」など。Twitter

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