廣瀬智央 地球はレモンのように青い
20/6/27(土)
フランスのシュルレアリスムの詩人、ポール・エリュアールは1929年にこんな詩を発表した。
地球はオレンジのように青い
間違いない
言葉は嘘をつかない
イタリアに住み始めて30年近くになるアーティスト廣瀬智央の展覧会が開催されている。美術館の床を埋める約3万個のレモン。人の感覚の中でも嗅覚や味覚は、聴覚や視覚よりも伝えにくく、記録しにくい。それに挑戦してもいる。展覧会のタイトルはエリュアールを改編し「地球はレモンのように青い」。1960年代イタリアで起こった美術運動「アルテ・ポーヴェラ(貧しい芸術)」の流れを汲む廣瀬は身近な素材を使って制作する。レモン、豆、パスタ、新聞、地図…。そしてそれに対比するようにゴールドや水晶。「貧しい」はずの芸術の「豊かさ」に五感が研ぎ澄まされる。
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