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左から佳山明、HIKARI、神野三鈴、大東駿介。

障害者と健常者の壁なくなれば…脳性まひの女性描いた「37セカンズ」監督が語る

ナタリー

19/10/29(火) 14:46

第32回東京国際映画祭Japan Now部門出品作品「37セカンズ」の舞台挨拶が本日10月29日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、キャストの佳山明、神野三鈴、大東駿介、監督のHIKARIが登壇した。

本作は、出生時に37秒間呼吸が止まっていたことにより、脳性まひとなった貴田ユマを主人公とする物語。マンガ家のゴーストライターとして働き息苦しさを感じていたユマが、自己表現を模索し未知の世界を切り開いていくさまが描かれる。実際に先天性脳性まひである佳山がユマ、神野がユマの母・恭子、大東がヘルパー資格を持つ俊哉を演じた。

HIKARIは映画の制作経緯について「たくさんの人と出会い、障害者と性について考えるようになったのがきっかけです。女性のサポートができればと思って作りました」と明かし「実際に障害を持っている方と映画を作るのがまず第一だったので、一般からオーディションをさせていただきました。それを明ちゃんが見つけて応募してくれました!」とうれしそうに語る。オーディションを受けようと思った心境について佳山は「うまく言葉にしきれないんですけど……今思うと新しい一歩が踏み出せたらな、何か見えてくるものがあったらいいなと思って受けました」と回想した。

神野は「監督の要望と私の願いが一致して、撮影前に明ちゃんと一緒に暮らす時間を作ってもらったのですが、とってもぜいたくな時間でした! すぐ意気投合して夜中まで女優論を戦わせたこともあります」と笑みをこぼし「明ちゃんは賢くて、とってもチャーミングな女の子です」と賛辞を贈った。本作の企画書に初めて目を通した日をはっきり覚えているという大東は「運命的な出会いでした」と振り返り「身体的な障害もとても大変だと思うんです。でも虐待だったり、いじめだったり、体ではなく心の障害って目に見えない分、怖いと思います。いつか作品でそういったものを確かめたいと思ったときに出演のお話をいただきました」としみじみと述べる。

HIKARIは「主人公の女の子は車椅子に乗っているけれど、1人の女性が自立する映画です。私の中で障害者と健常者の壁がなくなればいいなと思う気持ちがあります」と思いを口にした。佳山はHIKARIを「すごくパッションと、温かさを持った人です」と評し、神野は「作品を観ていただけたら監督の人に対する思い、世界に対する思いが伝わると思います。あふれてしまうものがあるから映画を撮っていると思うんです」と力説する。大東はタイでのロケを振り返りながら「監督が一番はしゃいでいました。ずっと踊っていて、この人めちゃくちゃはしゃいでるやん!って」と暴露し笑いを誘った。

イベント終盤には観客から質問を受け付けるコーナーも。劇中でどのような気持ちをもって主人公・ユマに接していたか尋ねられた大東は「僕が演じた俊哉は過去にトラウマがある人物です。ユマちゃんと出会って、彼女を応援するつもりがいつの間にか背中を押されていました」と回答。最後にHIKARIが「たくさんの人に観ていただきたい映画です。ぜひ口コミで広めてください!」と観客に呼びかけ、イベントを締めくくった。

第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で最高賞となる観客賞、外部団体が選ぶ国際アートシアター連盟賞(CICAE)賞を獲得した「37セカンズ」は、2020年2月より東京・新宿ピカデリーほか全国で順次ロードショー。

(c)37Seconds filmpartners

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