押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?
新作アニメ『ぶらどらぶ』はセルフパロディを意識したのですか?
月2回連載
第47回
Q.
『ぶらどらぶ』を観ました。『うる星やつら』風、『ぼくのエリ』風でとても面白かったです。最近の押井さん、セルフパロディを意識していますか? 実写版の『パトレイバー』からそんな気がしているんですけど、いかがでしょうか?
── 今回は押井さんの新作アニメ『ぶらどらぶ』を観た方からです。「セルフパロディ」っぽいとおっしゃっていますがいかがでしょうか? 私もそういう感じはしました。
押井 そういう人はわりといるみたいだよね。作っているときも(監督の)西村(純二)、デザイナーやアニメーターにも言われていたんですよ。
でも、そういうつもりはない。ありません!
── ないんですか?
押井 ないです。結局、自分の好きなことをやるとセルフパロディみたいになってしまうということなんです。違うことをやろうとしても、そうなっちゃう。
── フランソワ・トリュフォーの『アメリカの夜』(73)とか、ヴィトリオ・デ・シーカの『ひまわり』(70)の要素もありましたが、あれはパロディじゃないんですか?
押井 あれはパロディじゃなく、借用しているだけ。ご存じのように私は、ドラマやストーリーというのはオリジナルである必要はこれっぽっちもないと思っているから。というよりも、もはやオリジナルはないと思っているくらい。『アメリカの夜』とか『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(94)とか、まあ、パロディというより“見立て”に近いかな。
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