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クボタの4強入りか、神戸製鋼の返り討ちか? 運命のTLプレーオフ準々決勝キックオフ!

ぴあ

(写真左より)立川理道(クボタスピアーズ)、ピーター・ラピース・ラブスカフニ(同) (c)スエイシナオヨシ

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悲願のトップ4入りを果たすのか、それとも阻まれるのか。クボタスピアーズが勝負の時を迎える。5月9日(日)『ジャパンラグビー トップリーグ2021』プレーオフトーナメント準々決勝で神戸製鋼コベルコスティーラーズと対峙するのだ。

これまでの最高位は6位、それも10年以上前の話である。だが昨季オーストラリア代表71キャップのスタンドオフ(SO)バーナード・フォーリーとニュージーランド代表48キャップのセンター(CTB)ライアン・クロッティが加入し、今季は南アフリカ代表33キャップのフッカー(HO)マルコム・マークスがやって来た。フラン・ルディケヘッドコーチ(HC)就任5季目となる今季はこれまでとは一線を画すシーズンを送っている。マークスにデーヴィッド・ブルブリング&ルアン・ボタの200cm級ロック(LO)コンビ、フランカー(FL) ピーター・ラピース・ラブスカフニ、ナンバーエイト(NO8)バツベイ シオネらデカくて強いFWパックがモールやスクラムでぐいぐい押し込むとともに、SH井上大介&SOフォーリーのハーフ団が多彩なアタックはリードしているのだ。

苦い教訓もチームの糧にしている。第5節・サントリーサンゴリアス戦ではドロー濃厚と思われたノーサイド間際にトライを許し26-33、第7節・トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦ではカンファレンス2位をほぼ手中に収めかけながらもラストプレーで24-25と大逆転を喫した。この手痛い黒星の反省は、早速プレーオフトーナメント2回戦で生かされた。クボタは試合の入りから集中し得点を重ね、ヤマハ発動機ジュビロの時間帯でも反撃のチャンスを探りながら耐え抜いて46-12の完勝を収めたのだった。

ブロディ・レタリック(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
(c)スエイシナオヨシ

一方の神戸製鋼は初代トップリーグ王者にして、『トップリーグ2019』チャンピオンである。シーズン不成立となった昨季も6戦全勝、今季もパナソニック ワイルドナイツとの首位攻防戦こそ引き分けたものの無敗をキープ。プレーオフ初戦も三菱重工相模原ダイナボアーズを50-15と一蹴している。一見盤石に見える神戸製鋼だが、付け入る隙はある。第4節・リコーブラックラムズ戦や第7節・NTTドコモレッドハリケーンズ戦ではあわや金星献上かと思われたほど苦戦を強いられた。高いスタンダードを維持していた昨季までと異なり、今季は試合によってパフォーマンスのバラツキがあるのだ。

ルディケHCは神戸製鋼戦の勝負のカギはゲームコントロールにあると明かした。
「フォーリー、井上、立川がどれだけドライブできるか、どれだけチャンスを見出せるか。パスかランかキックかのいい判断ができるかにかかっている。そのためにはゲインラインを獲得していかないといけないし、そこからクイックボールを出せれば前へ出られる。また我慢が必要。FW戦では腕相撲のようなじりじりした展開になるだろう。セットピース全般も大事。セットピースがうまくいけば、ボールをキープできる。お互いアタッキングマインドを持ってゲームに臨む中、9・10・12・15番が信念を持ってボールを動かすことが大事になってくる。いい判断、質のいい動き、質のいいパスがいいアタックにつながる」

指揮官は初代王者をリスペクトしつつも、自信を覗かせた。
「神戸はここ2・3年日本のラグビーをリードしてきたチーム。勝って次に行きたいが、まずは神戸戦。自分たちのやるべきことをやれば、結果は付いてくると思っている」

ヤマハ戦でハットトリックをマークしたラブスカフニは、自分たちのすべきことに集中することが大切だと強調した。
「神戸はいいチームだし、いいバックローが揃っているが、自分たちフォーカス。どけだけのパフォーマンスを見せられるかにフォーカスしている。まずはセットピース。いいアタックボールをどれだけ出せるか。ディフェンスはどれだけ広角に守れるかが大事。ブレイクダウンも大事。アタッキングゲームでは特にブレイクダウンが大事。いいボールを出すために、どれだけ低くどれだけ早く入れるか」

さらに大一番であってもやるべきことは変わらないと日本代表FLは口にした。
「基礎的なことを徹底する。コントロールできるところはコントロールしながら、あとはあらゆる状況に対応していくことが大事。プレシーズンからあらゆる状況を想定して必要なことややるべきことをやって来た。今後もできることをやり、試合に臨みたい」

キャプテン立川は次のように神戸製鋼を評価した。
「FW、BKがスキルを使ってどこからでもアタックしてくるイメージ。一人ひとりの能力が高く、バランスのいいチーム。自分たちがきちんとディフェンスしないと相手ペースになってしまう」

ではどう戦うのか、立川はこう答えた。
「基本的に今までやって来たこと、FWパックで自分たちのボールを保持してアタックすることが大事になってくる。自分たちが不用意にキックした時、相手にスコアされたシーンがサントリー戦やヤマハ戦でもあったが、神戸にボールを渡すと返ってこなくなるので考えて蹴らないといけない。神戸とは年に1回練習試合をしているが、公式戦ではなかなか当たる機会がなかったし、(ウェイン・)スミス(総監督)さんが来て強くなった神戸に練習試合を含めて勝てていない。今回はいいチャンス。チャンピオンに自分たちがチャレンジするだけ」

また主将は今季の好調な理由にマインドセットの変化を挙げた。
「今季は結果だけを求めない。プロセスを信じ、先を見ずに、それこそ試合中にスコアボードばかりを見ずにチームを信じてやっている。それがいい方向に向かっている」

大一番を前にしても立川には気後れもなければ気負いもない。自然体で決戦へ臨もうとしていた。

試合開始48時間前発表の登録メンバーは以下の通り。
【クボタ】
1海士広大、2マルコム・マークス、3北川賢吾、4デーヴィッド・ブルブリング、5ルアン・ボタ、6トゥパ フィナウ、7ピーター・ラピース・ラブスカフニ、8バツベイ シオネ、9井上大介、10バーナード・フォーリー、11タウモハパイ ホネティ、12立川理道、13テアウパ シオネ、14ゲラード・ファンデンヒーファー、15金秀隆、16杉本博昭、17羅官榮、18山本剣士、19青木祐樹、20末永健雄、21岡田一平、22岸岡智樹、23ライアン・クロッティ

【神戸製鋼】
1中島イシレリ、2平原大敬、3山下裕史、4張碩煥、5ブロディ・レタリック、6トム・フランクリン、7橋本皓、8ナエアタ ルイ、9日和佐篤、10ヘイデン・パーカー、11山下楽平、12ラファエレ ティモシー、13ベン・スミス、14アンダーソン フレイザー、15山中亮平、16松岡賢太、17高尾時流、18渡邉隆之、19今村陽良、20橋本大輝、21徳田健太、22アーロン・クルーデン、23アタアタ・モエアキオラ

果たしてクボタが新たな歴史を作るのか、神戸製鋼が跳ね返すのか。『トップリーグ2021』プレーオフ準々決勝・クボタ×神戸製鋼は5月9日(日)・エコパスタジアムにてキックオフ。チケットは予定枚数終了。試合の模様は日テレ系にて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

チケットぴあトップリーグ特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-topleague/

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