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『なつぞら』草刈正雄が明かす、真田昌幸と柴田泰樹の共通点 「器の大きい男を演じるのは楽しい」

リアルサウンド

19/4/18(木) 6:00

 NHK連続テレビ小説100作目『なつぞら』が現在放送中だ。第2週の放送を終え、舞台は昭和30年の初夏に。成長したなつを演じる広瀬すずを中心に、期待の若手キャストたちのアンサンブルは、忙しい毎日を送る視聴者の大きな癒やしとなっている。

 そんな本作の中でも文字通り“大黒柱”として物語を支えているのが、柴田泰樹を演じる草刈正雄だ。第1週では、戦災孤児となったなつに、人生を生き抜く術を伝えていくその姿に、多くの視聴者が涙を誘われた。『なつぞら』出演にあたっての意気込み、自身と泰樹の違いなど、草刈正雄にじっくりと語ってもらった。

参考:井浦新、中川大志、染谷将太、貫地谷しほり、渡辺麻友、伊原六花……『なつぞら』追加出演者発表

●抜群の連携を見せる『真田丸』組

ーー草刈さんは朝ドラへの出演が3回目です。第100作目ということで、これまでの現場との違いなどは感じますか。

草刈正雄(以下、草刈):キャスト、スタッフのみなさん、ひとりひとりの熱量が本当にすごいです。僕が演じる泰樹の衣装も、夏と冬で個性的な特徴が出ているのですが、それも衣裳さんが寝ずに考えてくれたそうで。そういった全員のエネルギーが画面にも表れているのではないかと思います。

ーー第1週~2週の泰樹を見て、視聴者からは「大河ドラマ『真田丸』の真田昌幸だ」という声も多く挙がっていました。

草刈:そうなんです。本作への出演が決まったとき、いちばんうれしかったのは『真田丸』のスタッフが沢山いることでした。大森(寿美男)さんの脚本を読んだときも、これは昌幸の雰囲気を入れているなと(笑)。

ーー『真田丸』で昌幸の正室・薫を演じた高畑淳子さんとの共演シーンも大きな話題となりました。

草刈:高畑さんも、『真田丸』でも演出を担当していた木村(隆文)さんも、現場でニコニコしていました。作品は変わっても、同じチームでまた芝居ができる機会をいただけるのは、本当に役者冥利に尽きます。「ワシを調略する気か!」なんてセリフもあってね(笑)。皆さんからアドリブでは? と聞かれたけど、大森さんの台本通り。大森さんが昌幸のイメージを泰樹の中に落とし込んでくれていると感じます。

ーー昌幸と泰樹、役作りにおいて共通しているものは?

草刈:真田のときもそうだったのですが、楽しんで演じることです。昌幸も泰樹も僕とは真逆の人間です。僕はもうイジイジしてどうしようもないところがあって(笑)。だから、2人のような器の大きい男を演じられることはものすごく楽しいです。朝ドラや大河ドラマは、撮影が半年から1年間あります。今はほとんどのドラマが3カ月程度で、ようやく役に馴染んできたと思ったところで終わってしまう。やはり、長い時間同じ役を演じ続けることができるのは、役者にとってとてもうれしいことです。柴田家としてのシーンも、撮影を重ねるごとにみんな生き生きとして、会話も自然になっているので、そういった点は朝ドラならではだと感じています。

●泰樹からなつへと受け継がれる“開拓魂”

ーー北海道の大自然も本作の大きな魅力のひとつとなっています。

草刈:北海道ロケは昔から大好きです。宿からロケ地まで3時間ほどかかるんですが、広大な景色を見ているだけで全然飽きない。地元の方々が牛乳やチーズの差し入れをくださるのですが、これがとんでもなく美味しいんです。第1週はアイスクリーム、第2週ではじゃがバターを食べるシーンがありましたが、これからも“美味しいシーン”があるので注目していただければ。

ーー馬や牛との触れ合いはいかがでしたか。

草刈:馬に乗るシーンは男の子だから楽しんでやれるんだけど、搾乳が大変でした。(広瀬)すずちゃんは非常にうまいんだけど、男性陣はうまくいかなったですね。実際に酪農を営んでいる方々からいろいろと助けていただきました。泰樹を演じる上でも酪農家の皆さんと触れ合えたことは、非常に大きかったです。

ーー泰樹は本作のテーマでもある“開拓者”の体現者でもあります。

草刈:現場に入る前に北海道開拓者の代表である依田勉三さんのドキュメンタリーを偶然拝見しました。決意を胸に北海道に訪れてもほとんどの人が国に帰ってしまう中、依田さんの一団は粘り強く開墾を続け、礎を築きました。これはとんでもなく大変なことだなと。僕も、依田さんと同じように絶対に諦めないという精神を心に置きながら演じています。今後、なつが東京に出てアニメーターとなっていきますが、泰樹から受け継いだ“開拓魂”が大きな拠り所となります。セリフで直接的に言うわけではないのですが、なつとのシーンの中でそれが自然に感じてもらえればと思います。

ーーなつを演じる広瀬さんの印象は?

草刈:本当にプロフェッショナルです。出ずっぱりでセリフを覚えるのも大変だと思うんですが、いつ見ても平気な顔をしているんです。すずちゃんの根性はすごい。だから演じていても安心しますし、彼女がヒロインで良かったなと思っています。

ーー泰樹としてなつが東京に行ってしまう寂しさは?

草刈:なつに男ができたかどうかを確認したり、東京に行ってもずっと心配していたり、すごく人間臭いところが泰樹にはあります。これからなつとの別れもやってきますが、すごくいいセリフ、シーンを大森さんが書いてくれました。楽しみにしていただければと思います。

ーーここまでの撮影を終えて『なつぞら』の手応えは?

草刈:これからの展開がまた面白いんです。なつが東京に行ってからは出番がないかなと思ったら、ちょこちょこ顔を出すので(笑)。まだ最後までどうなるかわからないので、僕自身も楽しみです。

(取材・文=石井達也)

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