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劇団四季『ライオンキング』、新たな地でロングラン記録更新中

ぴあ

劇団四季『ライオンキング』より (c)Disney

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巨大複合施設内に位置する新劇場

1998年に旧・四季劇場[春]で開幕して以来、国内の総公演回数13,000回超、観客動員数も1,290万人を優に超え、今も前人未踏のロングラン記録を日々更新し続けている劇団四季のディズニーミュージカル『ライオンキング』。中でも東京公演は、2017年に旧・四季劇場[春]から四季劇場[夏]に移動し、さらに9月26日からは、江東区有明に新設された有明四季劇場に再び場所を移して、同一都市での無期限ロングランを継続中だ。現在、上演回数は東京単独で7,500回(10月5日公演終了時点)、観客動員数は800万人に迫る。この有明四季劇場こけら落とし公演の初日を前に、9月25日、公開舞台稽古が行なわれた。

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新劇場は、昨年オープンした巨大複合施設“有明ガーデン”の一角に位置し、同じ敷地内には、200店舗を超えるテナントが入る大型ショッピングモールや、8,000人収容の劇場型ホール、ホテルや天然温泉、広大な芝生の広場などがあって、観劇の前後も充実した時間を過ごすことができそうだ。

劇場内は、客席数が旧[春]劇場、[夏]劇場とほぼ同数の1,200席で、舞台までの距離が近く、2階席でも非常に観やすい構造なのも、他の四季専用劇場と同様だ。エントランスロビーと、1つ上の客席階には公演グッズの売店もあり、有明限定のブルーを基調にしたクリアファイルやタオルなども並んでいる。

何度観ても色褪せない演出と動植物の多彩な表現

幕が上がると、静まりかえった客席に呪術師ラフィキのよく通る声が響き渡る。98年の開幕直後からこの役を演じている青山弥生が、今も変わらぬ力強さで歌う「サークル・オブ・ライフ」に乗せ、太陽が昇り、キリンやゾウ、サイ、シマウマ、チーターなどサバンナの動物たちが、続々と舞台上に集まってくる。このオープニングは圧巻だ。

(c)Disney
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4mもの高さになるプライドロックが回転しながらセリ上がり、ライオンの王子シンバの誕生が祝福される。

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父王ムファサ(宇龍真吾)は、幼い息子に王国全土を見せ、生命の大切さを語るが、やんちゃなシンバは、王座を狙う叔父スカー(飯村和也)にそそのかされて、お目付役のサイチョウのザズ(井上隆司)を振り切り、ハイエナたちの土地に入り込んで危うく命を落としかける。

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オリジナル演出と衣裳デザインを手がけたジュリー・テイモアと、彼女と共同でマスク&パペットデザインを担当したマイケル・カリーによる、動物や植物などの造形は、何度観ても感心してしまう。動物は種によってまったく違う表現方法が採られ、ブロードウェイ初演から四半世紀近くが経つ今観ても、その斬新さは色褪せていない。

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もちろんこれは、常に高いクォリティーを維持して上演を続けている劇団四季のキャスト、スタッフの努力による部分も大きいだろう。

シンバを救い出したムファサは、星空を見上げ、過去の偉大なる王たちが星から見守っていると語る。しかし、スカーの悪巧みによって再びシンバは窮地に陥り、助けに駆けつけたムファサは、ヌーの大群に巻き込まれて命を落とす。責任を感じたシンバは王国を飛び出し、ミーアキャットのティモン(近藤聡明)と、イボイノシシのプンバァ(荒木勝)と出会う。

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ティモンとプンバァは公演地に合わせ、その土地の方言を話すのがお約束だが、東京では江戸弁が使われている。

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成長したシンバ(山下啓太)は幼なじみのナラ(中原詩乃)と再会。自分が何者であるかを自覚し、スカーと対決するため王国に戻っていく。シンバが、“夜はきっと終わる”“日はまた昇る”と歌う「終わりなき夜」が、コロナ禍の中、これまで以上に心に染みた。

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終演後は10月30日(土)までの間、夜公演に限り、平日と土曜休日に各2本ずつ、東京駅への直行バスも運行している。歌舞伎座や銀座の夜景を束の間楽しみながら、観劇の余韻に浸るのもいいかもしれない。劇場最寄りのりんかい線国際展示場駅では、発車ベルが、上り線は「サークル・オブ・ライフ」、下り線は「ハクナ・マタタ」になっているのも嬉しいサービスだ。



取材・文:原田順子 撮影:川野結李歌

劇団四季『ライオンキング』東京公演
2021年9月26日より有明四季劇場にてロングラン公演中

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