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『ジョーカー』 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

「悲劇と喜劇はいつも抱き合わせ」 監督が語る映画『ジョーカー』

ぴあ

19/9/20(金) 7:30

全世界に熱狂的なファンをもつ人気キャラクターを主人公に据えた衝撃作『ジョーカー』が、10月4日(金)から公開になる。本作では、後に自らを“ジョーカー”と名乗る心優しい男アーサーをホアキン・フェニックスが演じ、人気コメディ『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップスが脚本と監督を務めた。観客の中にはなぜコメディが得意な監督が『ジョーカー』を?と思うかもしれない。しかし、フィリップス監督はこう言い切る。「悲劇と喜劇はいつも抱き合わせ」

映画の主人公アーサーは老いた母と暮らしている、優しいが孤独な男だ。舞台になる大都会は暴力や経済的な格差がひどく、彼は“人を笑わせて幸福にしたい”と願っているが、次第に追いつめられていく。

荒廃し、問題が山積みの社会と、そこで生きる孤独で苦しみを抱えた主人公。本作は『タクシードライバー』や『真夜中のカーボーイ』など1960年代後半から70年代のアメリカで公開された多くの名作映画を思わせる設定だが、そもそも本作は監督が「1970年代に作られた人間を考察する映画に大きな影響を受けてきたので、それをコミックブックのキャラクターでやったらどうだろう?」と思ったところから創作がスタートしたという。

「『カッコーの巣の上で』や『セルピコ』『キング・オブ・コメディ』などは人間の内面に迫る映画だからね。それにこの時代を舞台にしたのは、最近のコミックブック映画の世界から距離を置く目的もあった」

『ジョーカー』は米DCコミックスの伝説的なキャラクターが基になっている。しかし、監督曰く本作は「典型的なコミックブック映画ではない」。だからこそフィリップス監督はアーサーを演じきることのできる最上級の俳優をイメージしながら脚本を執筆した。名優ホアキン・フェニックスだ。「決まるには時間がかかった。脚本を送ったらすぐに“やります”と返事がきたわけではないんだ。何度もミーティングをして、細かい話し合いをして、お互いのことを理解してようやく決まったんだ」

完成した映画を観れば誰もがフェニックスの演技に圧倒され、同時に彼が出演を即決しなかった理由もわかるだろう。それほどアーサーは難役なのだ。監督は「本人に聞いてもらいたいけれども、自分にこの役が務まるだろうかという恐れもまた、彼がやりたいと思った理由だったようだ。未知の領域、恐怖というのが彼は好きなんだよ」と推測する。

本作でアーサーは幾度も危機的な状況に陥り、暴力的な場面に巻き込まれ、痛みを感じ、孤独や迷いや怒りを制御できずにいる。それでも彼は笑う。その声は笑い声のようにも、悲鳴のようにも聞こえる。「僕の映画は次第にダークになってきていると思う。コメディだって奥底にはダークさがある。『ハングオーバー!』シリーズにだってある」とフィリップス監督は説明する。「だから僕が突然に変化したわけじゃないんだ。僕はコメディが好きだし、コメディで成功させてもらったし、コメディを作るのが好きだけど、今の世の中ではコメディを作るのが難しくなった。それに悲劇と喜劇はいつも抱き合わせ。今作は悲劇だ」

ピエロの扮装と笑い声に満ちた“悲劇”を描く『ジョーカー』は、多くの観客に忘れることのできない強い印象を残すことになるだろう。あなたの耳に残るのは笑い声だろうか? それとも悲鳴だろうか?

『ジョーカー』
10月4日(金) 全国ロードショー

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