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十八世中村勘三郎七回忌追善公演に勘九郎、七之助が意気込み

ナタリー

18/7/26(木) 20:10

左から中村七之助、中村勘九郎。

10月に歌舞伎座、11月に東京・浅草寺境内の平成中村座にて行われる十八世中村勘三郎七回忌追善公演について、本日7月26日に都内にて製作発表が行われ、中村勘九郎と中村七之助、松竹の安孫子正取締役副社長 / 演劇本部長が登壇した。

追善公演を、歌舞伎座と平成中村座の両方で2カ月連続で行うのは今回が初めて。10月の「芸術祭十月大歌舞伎」では昼の部に「三人吉三巴白浪」「大江山酒呑童子」「佐倉義民伝」、夜の部に「宮島のだんまり」「吉野山」「助六曲輪初花桜」を上演。「十一月大歌舞伎」では昼の部に「実盛物語」「近江のお兼」「狐狸狐狸ばなし」、夜の部に「弥栄芝居賑」「舞鶴五條橋」「仮名手本忠臣蔵」を上演する。

安孫子氏は「2カ月連続興行ができるのは、勘九郎さん、七之助さんお二人の素晴らしい精進のうえに成り立つことでございます」と語る。歌舞伎座と平成中村座、2つの小屋で上演することについて「中村屋さんは、歌舞伎座の大舞台を背負う一方で、あの時代に平成中村座を作り上げる原動力となった方。歌舞伎座と平成中村座、その両方で公演を行うことで、中村屋さんの功績に応えられるのではないかと考えました」と語った。

勘九郎は「祖父が父に『追善興行ができるような役者に』とよく言っていましたが、今回の興行ができるのはまさに松竹株式会社の皆様、先輩、後輩、同輩、そして関係各位のおかげです。と同時に、あまりにも早く亡くなった父のことを思うと『なぜ追善』という悔しさと悲しみがまだまだございます。その相反する感情が私たちの中にありますが、父のことを本当に愛し、父も大好きだった先輩、後輩、同輩が力を添えてくださいますので、私たちも父のモットーであった、来てくださったお客様に喜んでいただけるような興行にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」と思いを語った。

続く七之助も2カ月連続公演の決定に感謝を述べつつ「震え上がるような演目、配役ばかりでございます。父のため、祖父のため、そして父を愛してくださったお客様のために命がけで一生懸命勤めます」と決意を述べた。

記者から、父・勘三郎の偉大さを感じる瞬間は?という質問が投げかけられると、勘九郎は「逝ってしまった1年目くらいはあまり考えることができなかったんですが、『八月納涼歌舞伎』や『コクーン歌舞伎』、平成中村座など、父が闘って作り上げてきたものを自分たちが受け継ぐことになってから、厳しい状況の中にあっても役のことだけに集中するのではなく、いろいろなことに常に目を配りながら、それでいてあのように私たちの心に残るような素晴らしいパフォーマンスを見せていた父の精神力と芝居を愛する心を、改めて尊敬します」と思いを語る。

七之助も「父は本当に人々に愛されていたのだなと思い続けた数年間でした」と言い、「その思いが褪せることなくどんどん大きくなっていくと感じています。今も舞台に出る前に父の名前を唱えて『お願いします』と言ってから出るのですが、父だったらどうするか、どう思うかを常に考えながら過ごしてきましたので、これからも父の存在を感じ、父が愛したものを私も愛していきたいと思います」と述べた。

演目については「中村屋にゆかりのある演目を考えていただいた」と勘九郎。それぞれの役柄への思いを語りつつ、「本当に全部大変なんですよ!」と勘九郎が快活に笑うと、七之助も「1つひとつが大役です」と恐縮しつつも笑顔を見せた。

歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」十八世中村勘三郎七回忌追善

2018年10月1日(月)~25日(木)
東京都 歌舞伎座

昼の部:「三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場」「大江山酒呑童子」「佐倉義民伝」
夜の部:「宮島のだんまり」「義経千本桜 吉野山」「助六曲輪初花桜 三浦屋格子先の場」

平成中村座「十一月大歌舞伎」十八世中村勘三郎七回忌追善

2018年11月1日(木)~26日(月)
東京都 平成中村座

昼の部:「源平布引滝 実盛物語」「近江のお兼」「江戸みやげ 狐狸狐狸ばなし」
夜の部:「弥栄芝居賑」「舞鶴五條橋」「仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場」

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