全10回

いのうえひでのり 表現の源泉

旗揚げから39年。もしも劇団☆新感線が生まれていなかったら、現在の日本のショービジネスは今とはまったく異なる様相を呈していたにちがいない。「地味」「難しそう」といった演劇につきまとうイメージを轟音で吹き飛ばし、新しい観客を劇場に送り込む一方で、旬の俳優が、映画やテレビと同等の（あるいはそれ以上の）プライオリティを舞台に置くようになるほど、演じ手の心を惹きつけて放さない。 あらゆる人々に響くその表現は、一体どこに由来があるのか。演劇、映画、音楽など様々なカルチャーから貪欲に得た膨大なインプットが、舞台演出にどう活かされているのか。日本を代表する演出家の血となり肉となった作品や人物を、時代をさかのぼってひもときたい。