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水先案内人のおすすめ

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インディーロックや、その周辺のカルチャーを紹介

黒田 隆憲

音楽ジャーナリスト、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン研究家

ジョジョ・ラビット

ヒトラーをイマジナリー・フレンドに持つ「ナチス信仰者」の孤独な少年ジョジョが、母親によって自宅の屋根裏に匿われていたユダヤ人少女と出会うことで、自身の政治的考えはもちろん、人とのコミュニケーションまで徐々に変化していく様子を、繊細かつユーモラスに描いた映画。監督は、本作でヒトラー役も演じたタイカ・ワイティティ。2017年に『マイティ・ソー バトルロイヤル』を制作し話題となったニュージーランド生まれの映画監督である。また、ジョジョの母親で、反ナチス主義の活動家でもあるロージーをスカーレット・ヨハンソンが、ナチス党員でありながら、ロージーの良き理解者でもあるクレンツェンドルフ大尉をサム・ロックウェルが存在感たっぷりに演じている。 オープニングは風刺の効いたコメディかと思いきや、ストーリーが進んでいくにつれて(ドイツ国内の戦況が悪化していくにつれて)、次第に映画の様相も変化していく。例えば『パラサイト 半地下の家族』や『カメラを止めるな!』など、ジャンルそのものが「前振り」となってジャンルを超えていく映画は昨今一つの主流となっており、本作もその一つと言えるかもしれない。デヴィッド・ボウイの名曲『ヒーローズ』が、ドイツ語ヴァージョンで流れるラストシーンは号泣必至。これまで数多くの映画に『ヒーローズ』は使用されてきたが、個人的には今作が最も感動した。

20/2/3(月)

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