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古今東西、興味のおもむくままに

藤原えりみ

美術ジャーナリスト

特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」

カタールの王族シェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下のコレクションから精選された117点による展覧会。古来、人は「人」を、「神」を、「自然」をどのように造形化してきたのかに焦点を当て、3つのテーマごとに宗教・地域・時代を横断する構成の展示となっている。 古代の文物の展示は宗教・地域・時代ごとに分類されることが多いと思うのだが、例えば「人」セクションでは古代エジプトの「ラメセス2世像」、中央アジアの「人物像「バクトリアの王女」」、人物が描かれた古代ギリシャの壺、南米の「仮面」が並ぶ。素材や表現の仕方などを比較しながら見ていくと、地域の特性だけでなく人類の創意工夫の豊かさを実感できる。 「神」セクションでは、現在のトルコ共和国のアジア地域で前期青銅器時代に造られた真っ白な大理石の「女性像「スターゲイザー」(星をみる人)」(まるで現代彫刻のような造形センス!)やメソポタミアの「タンバリン奏者像」、「自然」セクションではリアルな描写も見事なアラビア半島で造られた「アイベックス」、可愛い仕草に癒やされる中国製の「クマ」などなどに加えて、東博所蔵の古代エジプトのミイラと「セクメト女神像」も展示されている。 民族美術や歴史に関心のある方ならば一つ一つの丹念な造形にひきこまれること必須。小品が多いので、細部までじっくり鑑賞するために単眼鏡の携帯をお薦めしたい。

20/1/2(木)

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