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水先案内人のおすすめ

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謎、秘密、恐怖が渦巻くスリル&サプライズ映画が専門分野です

高橋 諭治

映画ライター

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ

12年ぶりに地方の町へ帰省した男が、忘れえぬひとりの女の面影を探し求めてさまよい歩く。ただそれだけの話なのだが、現在と過去、現実と夢の境目がじわじわと溶け出していくこの中国映画の得体の知れない重層性、不穏なスリルは、ちょっと尋常ではない。 監督は1989年生まれで、これが長編2作目のビー・ガン。『薄氷の殺人』のディアオ・イーナン監督の新作『Wildgoose Lake』にも参加しているドン・ジンソン(撮影監督)、ウォン・チーミン(照明)らの気鋭スタッフとの共同作業によって構築された映像世界の何という妖しさ、艶めかしさ。2Dから3Dに変容する後半60分をワンカットで撮るというほとんど無謀なチャレンジも絶大な成果をあげ、観る者を未踏の夢幻体験へと誘う。新世代の才能が紡ぎ上げたミステリーノワールの迷宮、恐るべしである。

20/2/28(金)

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