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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。
春日 太一
映画史・時代劇研究家
透明人間
20/7/10(金)
TOHOシネマズ 日比谷
モラハラの酷い夫から逃れたヒロイン。やがてその夫は自殺したと知り、遺言により彼女は夫の遺産を受け継ぐ。だが、周囲で奇妙な出来事が起き始め、夫が生きているのではと疑い始める。 心理ホラーとして抜群の出来なのだが、危うい感じのヒロインの心情を演じるエリザベス・モスがとにかく素晴らしい。ただでさえ夫のモラハラで精神的に不安定なところに、次々と起きるトラブル。さらに周囲から孤立して追い詰められていく様が実にリアル。 といって、彼女はホラー映画によくある“哀れな被害者”なだけでは終わらない。その言動は、現代的にアップデートもされている。どんな厳しい状況にあっても決してめげずに闘う。 申し分ない内容。
20/7/8(水)