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アートのみかた
村田 真
美術ジャーナリスト
【4月10日で閉幕】生誕140年記念 背く画家 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和
20/2/21(金)~20/4/12(日)
練馬区立美術館
津田青楓の名をどれだけの人が知っているだろうか。夏目漱石に絵を教えた人であることは知っていても、どんな絵を描いたかはご存じないだろう。その理由の1つは図案、洋画、日本画とジャンルや画風を変転したからだ。青楓は生活のために図案の仕事から始め、日本画や染織も学んだが、日露戦争に従軍後は洋画に転向し、パリに留学。関東大震災を機にプロレタリア美術に関わったが、治安維持法違反で拘留されて洋画を断念。以後、第2次大戦を挟んで半世紀近く水墨画や書に親しんでいく。激しく変転しただけに作品も図案から油絵、書まで多岐にわたり、つかみどころがないが、それが青楓の懐の深さを物語ってもいる。
20/4/7(火)