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水先案内人のおすすめ

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映画史・映画芸術の視点で新作・上映特集・映画展をご紹介

岡田 秀則

1968年生まれ、国立映画アーカイブ主任研究員

僕たちのすきなジョナス・メカス

渋谷のシアター・イメージフォーラムで、今年1月に96歳で死去した個人映画作家で詩人のジョナス・メカスの追悼上映が始まった。だが、メカスのことがもっと好きになる展示が、そこから決して遠くない恵比寿で行われている。そこでは、リトアニアから難民としてニューヨークに流れ着き、その後、新しい映画のかたちを仲間とともに開拓したメカスの途方もない道のりが浮かび上がる。 展示品としては、メカス作品のフィルムのコマを抜き出して写真作品にした、ファンにはおなじみの「フローズン・フィルム・フレーム」がメインだが、それらに伴走する文章がただただ素晴らしい。偶然あの2001年9月11日の前日にメカスを訪ねたという岡本零氏によるものだが、彼の突然の来訪を受け入れたというメカスの、爽やかで詩性に満ちた人となりを窺わせてやまない。 「ジョナスは個人映画の創始者であり、どんな若者よりパンクで、大きなことではなく小さなことがすきな人だった」。観終わった後は、メカスが好きだったというブルックリン・ラガーがきっと飲みたくなる。

19/5/24(金)

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