Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

歌舞伎座『十二月大歌舞伎』

第一部『弥生の花浅草祭』 第一部の『弥生の花浅草祭』は江戸の風情が描かれた、一本で何倍も楽しい歌舞伎の変化舞踊だ。音楽も常磐津、清元、長唄と変化し、役者二人がペアとなり、趣の異なる四役を早替りで踊り分けていく。 まずは「神功皇后と武内宿禰」。三社祭の浅草の山車に飾られた皇后と老臣の人形に魂が宿り、軍物語や恋物語を語り合う。 かと思うと次の場面は宮戸川に。空から降りてきた雲の中の善玉と悪玉が二人の漁師に取り憑き、善尽くし、悪尽くしの振りをエネルギッシュに踊る。これが「三社祭」。そして粋な通人と、千鳥足で野暮な国侍が踊る「通人・野暮大尽」。 おしまいは天竺は清涼山の石橋が舞台だ。紅白の獅子の精が現れ、勇壮な踊りを披露する「石橋」。 どの踊りも面白いが、中でも「三社祭」は圧巻だ。善と悪のお面を着けることで善悪の魂が二人に乗り移った様を見せる。人形のように踊ったかと思えば、善玉がエア三味線を弾き悪玉が新内を唄う。また「玉づくし」と呼ばれるくだりでは激しい踊りを見せる。この一本だけでも踊り手は息絶え絶えになってしまうのではと思いきや、最後の「石橋」では何十回もの毛振りも。まるでトライアスロンだ。 今月は片岡愛之助、尾上松也のコンビで、パワフルで息の合った踊りが楽しめるだろう。

20/11/28(土)

アプリで読む