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水先案内人のおすすめ

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NO MUSEUM, NO LIFE.

鈴木 芳雄

編集者/美術ジャーナリスト

アートのお値段

『アートのお値段』を見ながら、ときどき『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』(2008年)を思い出していた。『お値段』コレクター代表ステファン・エドリスは15歳でホロコーストから逃れ、アメリカに渡り、プラスティック産業で大成功を収めた。ウォーホル、クーンズ、村上、カテランなどを収集。それを最後にはシカゴ美術館に寄贈。彼曰く「孫がいないからね」。ハーブとドロシーは郵便局員と図書館司書夫妻。ニューヨークの小さなアパートに夫婦と猫と亀と美術作品を詰め込んで暮らす。莫大な点数の作品をワシントンナショナルギャラリー経由で全米50州の美術館に寄贈した。ドロシー曰く「子どもには恵まれなかったけどアートのおかげで充実した人生だった」。お金があるからこそ見える世界とお金が限られているからこそ見える世界がある。

19/8/28(水)

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