優れた芸術とはそうしたものだが、あらゆる角度から見つめることができて、その都度発見がある。そのような作品である。 ピアノコンクールの話だが、あなたがクラシック音楽にさほど興味を抱いていなくても、きっと楽しめると思うし、あなたが生きてきたこと、これから生きていこうとすることを、必ずや肯定してくれるはずだ。 どのようなアートも、人間が創り出し、人間が享受する。あなたが、なにか創作物（なんだっていい、たとえば映画でも）に感動したことがあるなら、クリエーションとエモーションとの深い絆について再認識するだろう。 シリアスだがロマンティック。 打ちのめされるけど幸福。 最後の最後には、私たちがどうして、芸術を求めるのか、その答えが明示されている。 2019年を代表する必見作。

19/10/1(火)