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クラシック、歌舞伎、乱歩&横溝、そしてアイドルの著書多数

中川 右介

1960年生まれ、作家、編集者

冬時間のパリ

出版と文学の仕事をしている人は、見逃さないように。 パリを舞台にした大人のラブストーリーとして宣伝されているが、出版と文学の未来についてのディスカッションドラマだ。 純文学のあまり売れていない作家が編集者に呼ばれ、新作の出版を断られるところから始まる。前半は、電子出版にしか未来はないのか、文学はブログやTwitterやに勝てるのかといった議論が展開される。日本と同じだなあ、という点は多い。 中盤から、2組の夫婦の物語が前面に出てくる。編集者の妻は女優で、小説家と浮気し、編集者は部下の若い女性と浮気し、という、いかにもフランス映画っぽい展開。 とにかく、登場人物がよく喋る。愛を交わす言葉もあるが、大半は文学や出版、政治についての熱い議論。結論は出ない。 そして、ラブストーリーも甘い結末ではない。

19/12/19(木)

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