1976年に起きた、PFLP（パレスチナ解放人民戦線）とバーダー・マインホフの流れを汲むドイツ人ゲリラ2人がエールフランス便をハイジャックし、エンテベ国際空港に人質を拉致したこの事件は過去に3度も映画化された。他にもハイジャック事件はあったのに、何故かと考えると、イスラエル軍による〝奇跡の救出劇〟が生むカタルシスが大きいのかもしれない。 だが、勧善懲悪に陥ることなく、ドイツ人ゲリラの内面を繊細に描き、イスラエル軍の突撃をイスラエルのダンスとカットバックしながら「イスラエル性」を表現した手腕は特筆すべきものだ。監督がブラジル人というのも功を奏しているのかも。特にパットシェバ舞踏団によるダンスは一見の価値あり。

19/9/30(月)