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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

東京裁判〈4Kデジタルリマスター版〉

1946年に開かれた日本の戦争指導者を裁く「極東国際軍事裁判」。アメリカ国防総省が撮影した50万フィートに及ぶ裁判記録をもとに、小林正樹監督が5年の歳月をかけて製作したドキュメンタリー映画。今回公開されるのは、その4Kデジタルリマスター版だ。そのためオリジナルとは異なり、映像ばかりか、例えば議事録をめくる音や被告が椅子に座る音など、細かい部分がクリアになっている。「東京裁判」とは戦勝国が敗戦国を裁くことであり、「勝てば官軍」による裁判が正当かどうかは今でも問題となっている。とはいえ、4時間37分という長尺の映画の構成は、裁判過程の事案とともに戦時下の記録映像を織り込み、第2次大戦の歴史を知る上でまさに格好の教科書である。

19/7/31(水)

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