ナショナル・ポートレート・ギャラリーの存在をご存知でしょうか。ロンドン・ナショナル・ギャラリーの別館であたる、肖像画専門の美術館です。先日までお隣の国立西洋美術館で「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」が日本で初めて開催されていたが、それに続くかのように上野の森美術館ではナショナル・ポートレート・ギャラリー所蔵の作品を紹介するこれまた日本初の展覧会として、新型コロナウィルスに翻弄されている展覧会の中「KING&QUEEN展」は当初の予定通り無事始まりました。 歴史上の人物からロックスターまで1300点もの肖像画が収められているナショナル・ポートレート・ギャラリーから、今回は英国王室の歴代の王や女王を描いた実に500年に渡る肖像画に的を絞っての構成となっています。英国王室ほど世間の注目を集める王室も他にはありません。自分の妻を殺しカトリックから脱会したヘンリー1世や、スペインの無敵艦隊を破り英国発展の足掛かりを作ったエリザベス1世から現在、最長在位更新中のエリザベス2世に至るまで、みな濃過ぎる「物語」を有している歴代英国の王と王女たち。描かれた作品を鑑賞すると共に、その人物の栄光と挫折、喜びと悲しみにあふれた人生譚を存分に味わえるエクストリームな展覧会です。

20/10/31(土)