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立川 直樹
1949年生まれ プロデューサー、ディレクター
新内多賀太夫の会
19/10/20(日)
紀尾井小ホール
新内にも何とも言えない魅力がある。人間国宝にも認定されている新内仲三郎の唄と三味線を聞いて、粋で艶っぽい芸に惚れ込んでからもう数十年。その頃はまだ新内剛士と名乗っていた息子が多賀太夫を襲名、今やほれぼれとするようないい調子で新内を聞かせてくれるが、10月20日には紀尾井小ホールで『新内多賀太夫の会』が催され『名物姥ヶ餅』が上演される。 東海道名物の姥ヶ餅を売る1人の老婆は地獄の長である閻魔様の乳母。家宝を売ってしまい、人間の女性と駆け落ちしてしまった閻魔様を探すために餅を売る日々を送っている設定がおもしろいが、地獄のめくるめく騒動を多賀太夫が軽やかに描き上げる様子は想像するだけでわくわくする。これを機会に是非、和物邦楽の楽しい世界を覗いてみてほしい。 9月25日には三越劇場で新内仲三郎公演もあり、多賀太夫はその舞台にも出演する。
19/9/12(木)