評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
映画史・映画芸術の視点で新作・上映特集・映画展をご紹介
岡田 秀則
1968年生まれ、国立映画アーカイブ主任研究員
日本ヌーヴェルヴァーグとは何だったのか
19/2/2(土)~19/2/22(金)
シネマヴェーラ渋谷
昨年、フィルムセンター(当時)で開催された上映企画「発掘された映画たち2018」の中でも、特別な興奮とともに受け止められた映画が、山際永三監督のデビュー作『狂熱の果て』(1961年)だった。「無軌道な若者を描いた」などという日本映画は昔から珍しくないが、『狂熱の果て』のつんのめった疾走感は人を唖然とさせるものがあった。 戦後日本の革新性をどこに求めるべきか。日活には「太陽族映画」があり、大映からは増村保造という鬼才が出た。そして、ずばり「松竹ヌーヴェルヴァーグ」と名づけられた一群の若手監督がいた。しかし、それだけではこの地殻変動の核心をすくい切れないことがようやく分かってきた。『狂熱の果て』...
19/1/27(日)