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日本の舞台のほか韓国演劇、フィギュアスケートにも関心あり

上野 紀子

演劇ライター

新国立劇場の演劇『タージマハルの衛兵』

成河さんと亀田佳明さんの二人芝居を、小川絵梨子さんの演出で。と聞けばもうオススメするまでもなく、演劇ファンの皆様が必見フラグを立てていることでしょう。そんな魅力の布陣で新国立劇場に立ち上げるのは、アメリカ人作家ラジヴ・ジョセフによる衝撃作。ラジヴさんは同劇場で2015年に上演された『バグダット動物園のベンガルタイガー』を書いた人ですね。寓話的な展開から今につながる問題意識に引きこまれた舞台でしたが、その鋭い視点は本作でも変わらず。インドのムガル帝国で、今まさに完成されようとしているタージマハルを背にした衛兵二人。彼らの対話、そして巻き込まれる戦慄の出来事から、現代に生きる私たちを圧迫するストレスの源がフツフツと浮かび上がってきて……。“ことぜん”=個と全体のシリーズテーマに即した、国家や社会に対する個人の生の選択、存在意義の再考を促す舞台。「アナタならどうする!?」と強烈なカードを突きつけてくるスリリングな演劇体験となること請け合いです。偉大な祖父と父に続く小田島家の三代目、翻訳家の小田島創志さんが、キャスト二人や小川さんとともに練り上げたビビッドな言葉たち、対話のリズムにも期待したいですね。

19/12/1(日)

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