評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!
五十川 晶子
フリー編集者、ライター
六本木歌舞伎 第三弾『羅生門』
19/2/22(金)~19/3/10(日)
EX THEATER ROPPONGI
今は亡き十八代目中村勘三郎が、10年ほど前に雑誌の対談で市川海老蔵にこう言ったという。 「成田屋の家の芸は荒事なんだし、海老蔵が新作をやるなら、最後は地球を投げるくらいのことをやってほしいね」。当時の製作発表会見で、これが六本木歌舞伎のきっかけとなったと、海老蔵が語っていた。たしかに新作歌舞伎が“市民権”を得はじめていた時期だったが、荒事の新作歌舞伎は生まれていなかった。 海老蔵と中村獅童が立ち上げた第1弾は、宮藤官九郎作の『地球投五郎宇宙荒事』。楽屋で顔をするふたりのやりとりから始まるという、メタ歌舞伎な冒頭が印象的だった。そして第2弾は『座頭市』。成田屋代々の目力をあえて封印した猛烈ス...
19/2/17(日)