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水先案内人のおすすめ

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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物

春錵 かつら

映画ライタ―

ボーダー 二つの世界

「自分の居場所は、果たして本当にここで正しいのだろうか」 自分の居場所にいつまでたっても違和感がある。もっとべつのどこかに自分のいるべき場所があるのではないだろうか。そう思っている人は割と多いのではないだろうか。本作の主人公ティーナも目の前に広がる現実に順応しようと、自分の中に広がる幾ばくかの違和感を見ないことにして暮らしている。 醜い容姿を持ちながら「恐ろしく鼻が利く」という能力を生かし、税関職員として働く彼女は、ある日一人の旅行者の“異常”を嗅ぎ取る。ヴォーレと名乗るその旅行者との出会いが彼女の運命を大きく揺さぶり、彼女の抱える違和感の正体、ひいてはアイデンティティまで顕在化させてゆく。 物語中盤になってようやく「ああ、北欧映画だった」と認識させられる緑色のファンタジー。異質でありながらも強い吸引力を持ってあやふやな境界の上に立ち続ける主人公は、“美醜”や“善悪”をはじめ私たちの偏見と概念を試し続ける。

19/10/19(土)

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