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アートのみかた
村田 真
美術ジャーナリスト
内藤コレクション展Ⅲ「写本彩飾の精華 天に捧ぐ歌、神の理」
20/9/8(火)~20/10/18(日)
国立西洋美術館
中世ヨーロッパの彩飾写本を3回に分けて紹介する展覧会。これらの写本は、医学者の内藤裕史氏が40年近くにわたって買い集めたコレクションで、2016年に国立西洋美術館に寄贈された。写本といっても本のかたちではなく、ページごとにバラしたリーフ(紙葉)のかたちで展示されている。というのも、本のままではページごとに現れる華麗な彩飾を鑑賞できないからだ。もちろん完本は数が少なく高いので、バラ売りされたリーフを買っていたからでもあるが。3回目となる今回は、音符や歌詞の書かれた大判の聖歌集や、教会が信仰や生活などの法文を所収した教会法令集を中心とする展示。イニシアルや余白に施された美しい彩色のほか、現在とは少し違う音符や、欄外にびっしり書かれた注釈も見どころ。
20/10/4(日)