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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

人気再燃★昭和の大衆小説をスクリーンで 獅子文六ハイカラ日和〈モーニングショー〉

『大番完結篇』9/22〜28 ラピュタ阿佐ヶ谷 特集「人気再燃★昭和の大衆小説をスクリーンで 獅子文六ハイカラ日和」(9/1〜11/30)で上映。 今、獅子文六の小説がブームだという。本当だろうか? 「近年復刊が相次ぎひそかなブームになっている獅子ワールドをどうぞスクリーンでご堪能ください」と“獅子文六ハイカラ日和”のチラシ文で案内しているのだからその現象にウソはないと思うが、作者が没して50年も経っているのになぜ? とやっぱり理解はできない。 ま、それはそれとして、千葉泰樹監督の『大番』シリーズが1作目から4作目の完結篇まで、順に見られるのが大変に嬉しく、ありがたい。 『完結篇』の舞台は昭和24年(1949)の日本橋兜町。前作『続々大番 怒濤篇』のラストが昭和17年(1942)だったのだから、一気に話は飛んで戦後の証券取引再開から始まる。 最終作だけあって小気味良いほどに、あるいはご都合主義的にギューちゃんこと赤羽丑之助(加東大介)が朝鮮戦争の軍需景気に乗って成功して行く様を描いていく。しかも、シリーズ初のシネマスコープだから迫力が増し、爽快感も味合える。 ギューちゃんは純情だけど色好みだから、女性関係も気にかかる。 彼の永遠のマドンナである可奈子お嬢様(原節子)は戦後零落し、すっかり生活にやつれて病に倒れる。彼につくすおまきさん(淡島千景)は相変わらず貞淑だ。初見参は団令子が扮した秘書のマリ子。果たしてギューちゃんの恋の行方と人生の行きつく果ては?

19/9/20(金)

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