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水先案内人のおすすめ

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話題作、アート系作品を中心に

恩田 泰子

映画記者(読売新聞)

凱里ブルース

なぜ、こんなところにミラーボールがあるのかと思う。薄暗い家の中に、曇り空の下に、当たり前のようにぶら下がっている。でも、乱反射するのはそれら銀色の球ではなく、ひとりの男の現在・過去・未来。中国の若き異能、ビー・ガンが2015年に発表した初長編。失ってしまった者たちの存在に突き動かされる男の物語であることをはじめ、先に公開された長編2作目『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』と共通する点も多い。 ただ、無意識の夢がいつも少しずつ違うように、風味は異なる。そう、ビー・ガンが作り出す世界は、まるで目を開けたまま見る夢のよう。浮遊するように走るバイク。交錯する道。目に映るものすべてが唐突なようで懐かしいのだ。

20/6/2(火)

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