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洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります

堀 晃和

ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。

サウラ家の人々

登場人物たちの「証言」もドキュメンタリーの魅力のひとつだ。貴重な映像とともに秘話が明かされていく。『サウラ家の人々』は、今年88歳のスペインの映画監督カルロス・サウラと子供たちとの会話を通し、この巨匠の人生に迫った秀作だ。 サウラ監督は4人の女性との間に7人をもうけた。子供たちがそれぞれ父親にインタビューする形で創作動機などを解き明かし、カメラは書斎にも入り込む。 今も好奇心にあふれ、常に未来を見て生きる父親は、過去を振り返ることを好まない。それでも、愛する子供たちの思いに背中を押され、少しずつ言葉を紡いでいく。中でも女性たちと歩んだ奔放な私生活を隠さず語り、子供たちもそんな父親の生き方を受け止める様子がなんともほほえましい。喜劇王チャップリンの長女で女優のジェラルディン・チャップリンと恋に落ち、息子シェーンを授かった経緯も描かれる。シェーンはアメリカ在住のため電話による会話が紹介されたが、興味深いエピソードの連続だ。 サウラ監督の映画を観てきた者としては、数々の名作が散りばめられていることも嬉しい。ジェラルディンも出演した『カラスの飼育』(1976年)の主演女優、アナ・トレントが愛らしい。

20/11/20(金)

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