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水先案内人のおすすめ

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夏目 深雪

著述・編集業

トムボーイ

『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマの長編二作目。長編処女作『水の中のつぼみ』から一貫して女同士の性愛を描くシアマだが、今作の主人公は引っ越し先で「ミカエル」と名乗り男の子に成りすます10歳のロール。 トランスジェンダーの役を当事者が演じる機会が少ないことが一時期問題になったが、(勿論重要な問題だが)属性はともかく役柄にハマる役者を見つけることが成功の重要な要因なのではと思ってしまう。勿論、それは今作の主人公が成長途中の子どもだというのも大きいだろうが。それほどロールを演じた子役は魅力的だ。男/女、大人/子ども、全ての境界線を揺らがせるといった意味でシアマの作品の中でも最もアグレッシブで胸がすく作品。

21/9/13(月)

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