ひとは死んだら、どこにいくのだろう？ 天国？ 土の中？ 灰になって風になるのかな。 海を形成する一部になるのかな。 じゃあ、写真で笑っているあのひとは、なんなのだろう？ すがたかたちだけではなく、そのひとの声をわたしたちは記憶している。 そのひとが、ある場所に存在することで育まれる独特の情緒とテクスチャを知っている。 はなれていたって、なくならない。 忘れなければ、そこに在る。 季節のうつろいと共に紡がれる七つの章から成る一篇。 わたしたちは、何を憶え、何をとどめて生きているのか。 過去と現在と未来のあいだで呼吸しているものに気づかされるひそやかでおおらかな映画。 部屋着のままのこころで、映画館に出かけよう。

21/2/1(月)