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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

『少女仮面』トライストーン・エンタテイメント

アングラ演劇の先駆者、唐十郎が書いて70年安保直前の1969年に初演された『少女仮面』が主演・若村麻由美、演出・杉原邦生での上演。見逃す手はない。若村が演じるのは宝塚歌劇の大スター春日野八千代。この男装の麗人が東京で経営する隠れ家の地下喫茶店・「肉体」。ここに八千代に憧れ、ヅカガールを目指す少女・貝(木崎ゆりあ)と老婆(大西多摩恵)が訪れる。初演では李礼仙(現麗仙)が演じ、演劇界が震撼したものだ。幻想的でロマンが溢れた。“肉体の復権”——。甘粕大尉、『嵐が丘』が登場すれば老いていく肉体の行方とは? 男役、そして男装……若村はテレビで「不安で心臓がバクバク」と話していた。“唐演劇”のチカラを発揮してほしい。

20/1/19(日)

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