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笠井 信輔
1963年生まれ フリーアナウンサー
劇場
20/7/17(金)
丸の内ピカデリー
芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹の原作を、行定勲監督が手がけた。 松岡茉優の演じる女優の卵がとにかく魅力的で、あまりにもダメ男である演劇青年、山崎賢人に尽くす姿に「なんでこんな男に」とイライラが募るほど(笑)。山崎のモノローグが効果的でまるで原作小説を読んでいるような雰囲気を醸し出している。本作の魅力は、不安定なラブストーリーと言う側面に加えて、追い込まれたクリエイターの才能が開花する瞬間を描いている点だ。コロナ後の今観ると、まるで別世界の別時代の作品を見ているような感覚に陥ってしまう。非常に羨ましく感じられてしまい、本来の意図とは違う作品に見えてしまうという、何とも言えない気持ちになった。
20/7/15(水)