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水先案内人のおすすめ

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ギャラリーなどの小さいけれども豊かな展覧会・イベントを紹介します

白坂 由里

アートライター

澤田知子 狐の嫁いり

「外見と内面の関係」をテーマにセルフポートレイトを撮り続けている澤田知子。自動証明写真機で400回変装して撮影した1998年のデビュー作《ID400》をはじめ、リクルートスーツ、キャバ嬢、コギャル、ロリータなどそれぞれの類型からのバリエーション。今回の個展では、それら新旧シリーズで構成した「狐の嫁いり」という一つの新作空間をつくりだした。 骨格はもちろん、鼻筋や口紅の塗り方もあまり変えていなくて、目と髪型、メガネ、服装で印象が変わる。澤田にとっては自身の正体を隠す「仮面」のようなものだが、鑑賞者は、内面まで演じる「お面」のように見ることが多いという。すべて同一人物なのに、性格が違うように見てしまうのだ。そんな「人は人をどうやって判断するのか」という疑問から、後ろ姿だけのポートレイトも撮影している。展覧会場には珍しくちょっと懐かしのヒット曲が流れてくるのもミソ。 《ID400》の最後にスキンヘッドにして撮影した大判のモノクローム写真があるのだが、この写真が核となって「私は私」という声が聞こえてくるようだ。また、ギャップが大きい「相違」と隠しきれない「相似」があって、それも澤田の個性につながっている。環境が変われば顔も変わる。いろいろな自分を楽しむもよし。しんどい「呪い」を解く展覧会かもしれません。

21/4/7(水)

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