評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
ギャラリーなどの小さいけれども豊かな展覧会・イベントを紹介します
白坂 由里
アートライター
志賀理江子 ヒューマン・スプリング
19/3/5(火)~19/5/6(月)
東京都写真美術館
木枠だけの躯体に、世界最大の印画紙が棺の布のように掛けられた20の「箱」が並ぶ。側面の幅や配置の「間(ま)」が異なる。月明かりだけの海岸を裸で駆ける人々、歌う人々。涅槃像のように横たわる女性。洞窟、重機、流積物、植物。裏側の写真はすべて同じ。赤く上半身を塗った鬼や精霊を思わせる男がこちらを見つめ返す。チームをつくり、対話を通じて演劇的な行為を行い、写真に収めた協働作品だ。 写真家の志賀理江子は、2008年に移住した宮城県で東日本大震災に遭い、トーク(対話)を重ねていき、2012年春にせんだいメディアテークで個展『螺旋海岸』を行っている。今回の「春」というテーマは当時から考えていたそう。毎年、...
19/3/24(日)