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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物

春錵 かつら

映画ライタ―

トゥルーノース

『True North』、それは決して揺るがない道標。 清水ハン栄治監督が北朝鮮の強制収容所での体験を持つ脱北者たちに取材を行い、10年もの歳月をかけて制作した本作は、これが初監督作とは思えないほどの明瞭さと強さを携えた長編アニメーションだ。的確な物語と表現方法で全年齢の鑑賞が実現した。 「絶対的な羅針盤」と「北(朝鮮)の真実」というダブルミーニングのタイトルの通り、そこには主人公たちが懸命に探る“生き、進む道”と、目を覆いたくなるような強制収容所での様子が描かれる。軍人たちのあまりの理不尽と非人道的な振る舞いに時代を疑うが、北朝鮮が頑なに存在を否定している強制収容所には、いまだ12万人が収容されているという。 かつてイギリスの思想家が、「権力は腐敗の傾向がある。絶対的権力は絶対的に腐敗する」と言った。これはひとつの国に限ったことではないし、もっと小さな社会の中でも起こるだろう。あなたの『True North』はそのとき大切な人だけでなく、あなた自身をも救うことになるだろう。それはやがて、世界にも繋がるはずだ。 本作を観た世界が、そして子供たちが、その12万人を救おうと立ち上がる姿が脳裏に浮かんだ。主人公ヨハンが人々の心に光を灯したのと同じように、確実に革命の狼煙を上げた作品となるに違いない。

21/6/3(木)

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