Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

ブータン 山の教室

「何かを成し遂げたいんだ」──主人公は教師を辞める理由としてそう口にする。その夢を叶えるにはオーストラリアに行くこと。けれど、海外に行けば何者かになれるのか? 都会に行けば成功するのか? そもそも成功ってなんなのだ? いまどきの音楽を好み、歌も上手くて自信に満ちているこの青年の姿を通して、私たちが目にする才能探しの物語。 “都会だろうと僻地だろうとどんな子供たちにも教育を受ける義務がある”という言葉から仕方なく、ブータンの僻地ルナナ村の学校へ赴任することになった彼は、美しい自然の光景に耳を傾けずに、ヘッドフォンで流れる音楽の世界に入り込む。 どこを撮っても画(え)になる世界で、自然と調和して生きる村人たちと触れ合う中で、私たち観客が目にする子供たちの好奇心。言葉を学びたい、歌を作りたい、文字を書きたい。 紙が希少な地、歌で交流する地、季節の変化を知る地、ルナナ村。ゆっくりと心が広がる感覚を映画で味わい、主人公の青年に自分をシンクロさせながら気づくもっとも大切なこと。 しかもね、これぞ青春映画なの。志高く自信に溢れる若者が、誰に言われるでもなく、感じながら考えながら自分で気づくという自然な流れの脚本がまた心地良いし。 ブータン出身のパオ・チョニン・ドルジ監督が国中を歩き回った体験から生まれたオリジナル脚本、初メガホンですってよ。

21/3/17(水)

アプリで読む