はっきり言うと、実に変な映画だ。でも奇妙な魅力がある。“INDIEWIRE”は「ガーフィールドはSNS界が生んだ“ジョーカー”」と評し、5ツ星を与えているが、刺激的な言葉とふるまいで見る者を翻弄するカリスマを怪演するアンドリュー・ガーフィールドは完全にジャック・ニコルソンやロバート・デ・ニーロ、クリスチャン・ベール……といった“成りきり俳優”の仲間入りを見事に果たしているし、『アンダー・ザ・シルバーレイク』で完璧に同世代の俳優より突き抜けていることを示したガーフィールド演じるリンクがマヤ・ホーク演じるフランキーなどと一緒にSNS界のスターダムを駆け上がっていき、それが狂気へと変貌していく展開はダークなエンタテインメントに仕上がっている。監督はフランシス・フォード・コッポラの孫で、ソフィア・コッポラの姪、映画の名門一家の新星ジア・コッポラ。『メインストリーム』はYouTuberの狂乱を描いた衝撃的な作品といえるだろう。

21/9/27(月)