評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン
大島 幸久
演劇ジャーナリスト
M&Oplaysプロデュース『白昼夢』
21/3/20(土)~21/4/25(日)
本多劇場、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、東海市芸術劇場 大ホール、広島JMSアステールプラザ 大ホール、 島根県民会館 大ホール
赤堀雅秋・作・演出の『白昼夢』には大いに期待したい。1年ぶりの新作。恐らく練りに練った仕上げだろう。まず、集めた俳優がいい。風間杜夫、荒川良々、三宅弘城、吉岡里帆、加えて赤堀自身の計5人のみ。言ってみれば、とんがった個性を持つ舞台の実力派たちだ。次に物語の人間関係。風間が主人公である高橋家の家主・清。妻を亡くしている初老か。息子がふたりいる。やっかいなのは次男の薫。荒川が扮する。引きこもり、家庭内暴力。限界に近い父を心配する長男の治が三宅。シリアスな家庭劇のように思えるが、赤堀は喜劇のつもりだという。2019年に観た赤堀の『神の子』は秀作だった。濃密な空間で丁々発止とやり合う5人。身に詰まされるだろうが、やがて哀しき笑い声と、いくのかしらん?
21/3/15(月)